ASPASIA STRATIGOU / RODOSTAMO

アスパシア・ストラティグゥ、10代のころからアテネでアマチュア・バンドのヴォーカルだったり、長らく様々なアーティストのレコーディングでコーラスをつとめて来たようですが、そんな中でもヨルゴス・ダラーラスのツアー・メンバーとして2年を過ごしたことが、ソロ・デビューのきっかけになったようです。いかにも自己主張のない、歌に没しようとするディモーティカ / トラッド、レベーティカ〜ライカを歌うイイ歌手です。
2011年にはファースト・ソロ名義アルバムをリリース(既に入手困難)、そして、本作は6年ぶりのセカンド・ソロ新作CDです。が、ギリシャ特有のコンポーザー・アルバム、あるいは企画アルバムにはよく参加しています。近年注目されたところでは、>こちら“ALITHEIA… STI SYRO” -CD&DVD / released by Anart prod.  に参加、イイ歌を聞かせてくれました。〜ずいぶんお太りになった姿を見せてくれたのでした。
で、この新作〜作曲者は以下の通り Dionisis Theodosis, Alexandros Kapsokavoudis, Dasho Kurti, Konstantinos Plouosios, Nikos Samaras, Dimitris Sintos and Dimitris Stathis〜という若手のシブイところが集合しているのですが、このうちコンスタンティノス・プルシオス(ギター)以下、ディミトリス・シントス(ピアノほか)、ディミトリス・スタティス、ディオニソス・テオドシス(クラリネット)といった面々は、先の>こちらアントアート盤 “ALITHEIA… STI SYRO” にも参加していましたから、なるほど本アルバムは、アントアート盤の続編にして、アスパシアのフィーチュアーリング・アルバムと解することができるでしょう。というか、最近めっぽうノシている新興スパイダー・ミュージック(ダラーラス新作もこちらからリリース)が、アントアート企画を受け継いだかたちでしょうか(って言うか、スタジオもマスタリングもアントアートですけど)?
というわけで、もう内容は保証されたようなもの、アントアート盤にも参加していたブズーキ奏者、ヨルゴス・プロドゥロモスも加えて、ギリシャ伝統歌謡の良質な部分を過去からたぐりよせ編み込んだようなアコースティックな伴奏におけるディモーティカやレベーティカ、加えて、金管やピアノ、エレキギターも前に出るジャジーなテイストのライカ風(この辺はディミトリス・シントスの持ち味〜アルバム1枚あり)など、グリーク・トラッド方面で、最も期待される若手女性歌手の一人、アスパシア・ストラティグーの過不足のないスタジオ録音ギリシャ歌謡アルバムが誕生したと言うべきでしょう。丁寧で、柔らかな発声の中にも、いかにもギリシャらしい哀感がこもったアパシアの歌、お楽しみを!
それにしても、もう少し何とかならなかったのでしょうか、このジャケット・デザイン…。

Dimitris Sintos (piano, electric piano, double bass, lute, acoustic guitar)
Nikos Samaras (trumpet, flute, ephon, sagas, tzouras, bouzouki, lute)
Dionysis Theodosis (Clarinet)
Dasho Kurti (accordion)
Michalis Bakalis (percussion)
Konstantinos Plouosios (acoustic guitar)
Giorgos Prodromos (electric guitar, acoustic guitar)
Vassilis Korakakis (bouzouki)

Orchestrations: Dimitris Sintos with the participation of all the company
Orchestration of Percussion: Michalis Bakalis
Sound – mixing – mastering: Studios AntArt
Sound Engineer: Giannis Baxevanis

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