OST, selected recordings of BAYAKA MUSIC by LOUIS SARNO / SONG FROM FOREST

                             既に廃盤▽…とうようさん『収集百珍』より
song-from-forest-ostBAYAKA

★A DOCUMENTARY FILM BY MICHAEL OBERT


Dさんにご教示いただくまで知らなかったCDです(参考 >★リンク感謝!)。その昔、中村とうようさんにこの男はバヤカの森でピグミー達と何年もいっしょに暮らしてるんだよ、これはイイCD本だよ、と教えていただきましたが、そのCD本 “BAYAKA”(右掲載) が出たのが95年のことだったから、ルイス・サルノはそれからもずっと森にとどまり(1985年から森で暮らしているそうだから、かれこれ 30年)、ピグミー女性と結婚し子供もいて、その子供を連れて、いっしょにNYへ行ったことなどをドキュメントしたのが、映画  “Song From The Forest” ということだそうで、本盤はそのサントラです(映画の日本公開はないのだろうか?)。

で、本CDに収録されているピグミー達の生活の中の音というか、歌というか演奏というか(それは決して“作品”というようなものではなく、演者と聴き手の間に線が引かれることもないような音楽、あるいはその場の自然音と”共演” する音楽?)は、あの 95年の “BAYAKA” で聴けたものとほぼ変わっていないことを確認することができます。その変わっていないというところに安堵を覚えてしまうのは、バヤカのピグミー達の生活感がそう変わっていないということを示すからでしょう(ま、自分の生活もここ20年ぐらい何も変わっていませんが、そーゆうこととは違う?)。
中央アフリカ一帯の森に住まう少数民族、ピグミーのことが歴史上、文書で初めて触れられているのは約4千5百年前のエジプトでのことだそうですが、そこからあまり変わらない生活をずっと続けて来たのかどうか、それは今になって判断できることじゃないでしょうけど、少なくともピグミー音楽ファンの一人として、コリン・ターンブルの1960年前後のイトゥリの森での録音と、本盤の録音が本質的にそう変っていないことに気づくなら(もし、ピグミー一人一人の生活感覚というか、心性が変わってしまっていたら、あのポリフォニーコーラスは崩れてしまうはず、それほど繊細微妙なモアレ状のポリフォニー)、その変わらない(繊細微妙な)ものに魅せられ、ルイス・サルノがそこに住み続けているということは、わかるような気がします。今時の世の中で、少なくとも50年間変わらない生活感覚を保ち得る共同体というものは、なかなかあるもんじゃないだろうし、その生活感が、もしかしたら、4千5百年前とそう変わらないかも知れないという極論、果てしないロマンがそこにはあるような気もします(と、暴走する妄想?)。

>http://songfromtheforest.com