ROKIA TRAORE / BOWMBOI

rokia_3rdマリ出身の若手女性歌手、今やアフリカ音楽シーンで最も注目される歌い手の一人、ロキア・トラオレ嬢の新作です。…ンゴニとギター、コラやバラフォン、そして各種民俗打楽器をベースにしたバックのあり方、力みのない自然な発声のヴォーカル、多重録音も駆使したコーラスと、基本はこれまでの2作と変わりありませんが、一言でいうなら、深化した、ということになるでしょうか。ヴォーカルはより深く微妙な情感をすくい取り、それぞれの曲想の変化も練りに練られ変化に富みますが、技巧というものに頼った感じは皆無です。民俗楽器主体の曲に続いて、クロノス・クァルテット参加の弦楽重奏をバックに歌う曲もありますが、流れは自然、違和感というものは生じません。そして、何より、ロキアの歌のすべてが、アフリカというものを感じさせます。とはいえ、それはストレートなものではなく、アーティスティックなものなんですが…。