この人の新譜、ず〜っと待っているんですが、出ないですねえ、結局、たった1枚のソロ・アルバムということになるんでしょうか…。
いいですね、“月の光に語って…”というタイトル通り、ロマンティックなムードが横溢しています。ケマン(擦弦)奏者にして歌い手~東部トルコはグルジアとの国境にほど近いアルダハンで1978年に生まれたというメフタップ・デミル(=ムーンライト・デミル)の自己名義ファースト・アルバムです(これまではチュルキュレリン・センフォニシ=シンフォニー・オヴ・フォークソングスの中心人物として2作のアルバムをリリース)。〜12歳の頃から、トルコ古典歌謡はもとより、アナトリア、イズミール、西アジア~中央アジアまでのフォークロア、そしてセファルディ音楽も学び、自ら作詞作曲編曲もこなす才媛です(アカデミックな世界でも音楽研究者として活躍中とのこと)。もちろん、この作でも、古典歌謡はもとより、アナトリア民謡、アゼルバイジャンや黒海沿岸ラズ、ウィグルやマケドニア、そしてギリシャ音楽等々までをベースにした~地中海世界からシルクロードへ至ろうとする古典&フォークロア世界を、様々なアレンジの中に聞かせてくれます。タンゴやライカ・マナー、ジプシー調も聞かせています。ひたすらトラッドでありながら、フェミニンなその歌い口、しかもインテリジェンスと慈愛、哀愁も兼ね持ったその音楽作法、というか音楽的な的仕草が~自ら率いる伝統楽器アンサンブルをバックに、月明かりの下で引き立ちます。
1 Ömür Bitiyor
2 Hasret Çektim
3 Hüzün Çiçeği
4 İki Sevda
5 İlk Mehebbet
6 Dünya
7 Dondurmam Buz Gibi
8 Civan Yarim (Tzivaeri)
9 Qızlar Mahnısı
10 Terazi Tartayirum
11 Gel Bana Güle Güle
12 Ardahan Yöresi Deme Çevirme Halk Türküleri