仕事をしながら、少し抑えめの音量で聴いていたからかどうか…、CDが始まってから、その歌の背景にずっと静かに波音が聞こえているような気がしていましたが、実際に波の音が収録されていたのはラスト前のアカペラ&ラストの2曲のみでした。う〜ん、なんだか、不思議なものですねえ。その歌声に、もともと波の音が寄りそっているとでもいうのでしょうか?
〜そんなわけで土木作業員さん(こと小山さん)のお骨折りで、與那城美和が三線弾き語りで宮古島の民謡を歌い綴ったファースト・アルバム、当店初入荷です。個人的にも初めて聴きました。
その宮古の民謡といえば、国吉源次や、仲宗根豊や、あるいは、久保田麻琴制作のミャーク・シリーズのCDとかしか聴いたことはありませんでしたが、やっぱりイイですねえ。
淡々とした歌い口の中にも、本来”島唄”というものが備えていただろう野趣のようなものが感じられます。喉が強い、と言うべきでしょうか、しなやかなコブシまわしが、その場の空気を変えてしまうような、古くからあるものを、その場に呼び出してしまうような、そんな歌声じゃないかと思います。それは、今となっては南西諸島においても既に貴重なことという気がします。
1966年生まれだそうですから、この與那城美和ももうヴェテランの域でしょうね、でも、これがファースト・アルバムだなんて、なんだか、もったいない話です。とにかく一度、お聴きになってみて下さい。
三線弾き語りに太鼓、そして時々、琴、囃子がつくだけのシンプルかつオーガニック、かつ潮風に洗われたような哀愁にじむイイCDです。オススメします。
〜與那城美和(よなしろみわ)プロフィール
*小学4年生ごろから 「工工四」(くんくんしー=三線の記譜法)を習得、 三線を弾き始める。 琉球古典民謡の野村流伝統音楽協会の与那覇寛仁氏に師事し、琉球古典芸能コンクール(琉球新報社主催)で新人賞、優秀賞、最高賞を獲得。2009年に同協会教師。久田流家元久田舞踊研究所。
*2009年 宮古島市総合博物館の講演会で初めて古謡を唄ったことをきっかけに、現在は宮古の民謡や古謡の研鑽に努めている。
*2013年12月 CD 「宮古島を唄う~かなすあーぐ」 リリース。「大世栄」 をはじめ、崎田川 / 與那武岳金兄小 / なりやまあやぐ / 伊良部とうがに / 池間の主 / 狩俣のイサミガ / 東里真中 の全8曲。 また、幻の名歌といわれる古謡 「白鳥ぬアーグ」 も収録。
1.大世栄
2.崎田川
3.與那武岳金兄小
4.なりやまあやぐ
5.伊良部とうがに
6.池間ぬ主
7.狩俣ぬイサミガ
8.東里真中
Bonus Track
9. 白鳥ぬアーグ