いいジャケですねえ、期待は裏切られませんねえ。タイ北東部イサーン出身のルークトゥン系男性歌手の1970年代録音復刻盤 x2点。パンチはありませんが、ふわふわジワジワ来ますねえ…。なんと言ってもバックがイイ!トランペット&サックス、ピアノ、マリンバ含むローカル・スタイルのアンサンブルが、いかにもタイらしい浮遊感溢れるメリスマ・ヴォーカルをバックアップしています。ルーククルン(洋楽指向POP)っぽい曲もありますが、基本はモーラムっぽい歌い口が魅力のルークトゥンということになるでしょうか。で、何しろ“ペッチョンプー”ですからね(ほんとはペットチョムプー?)、そういう語感のお名前ということになると、日本語的環境に安住しているこちらとしては、不謹慎かも知れませんが、どうかすると、クスッと笑ってしまうわけですが(渾名だってそんな奇抜なのにお目にかかったことがない)、それだけのことはある、というか何というか、まあ、そういうタイとかイサーンの歌詞の語感の面白さは、やっぱり70年代あたりの録音までに濃いんじゃないかとも思います(つまり声調言語としてあるラオ語イサーン方言なりタイ語なりの本来の発声のあり方に従って歌っていた、ということでしょうか?)。最近のタイの歌い手さんが歌う言葉に、クスッとはあまり来ませんからねえ…。