黒人サンバの最重要人物、伝統サンバの重鎮ウィルソン・モレイラの最新作です。マリーザ・モンチのプロデュースによるヴェーリャ・グァルダ・ダ・ポルテーラのアルバムでも音楽監督を務めたパウローンがプロデュースを担当。以前からサンバのルーツを探求する姿勢を持っていましたが、このアルバムはさらにその方向性を先に進めた内容となりました。ブラック・ルーツの権化とも言えるルンドゥーから、田園情緒溢れるカランゴまで、多彩なリズムの作品を収録し、さらに黒人色溢れるパルチード・アルトなども楽しませます。現代サンバでもっともルーツに根ざしたふくよかな作品です。