近年もアテネのテアトル・ミクロ・パレスでアンコール上演が続いているという人気ミュージカル “ΉΡΩΕΣ” に出演し注目を集めた女性歌手、ヴィキィ・カラツォグルのファースト・アルバムとのこと。ギリシャ歌謡ファンとしては、ヴェテラン女性歌手のグリケリアや、作曲家にしてブズーキ奏者、クリストス・ニコロプロス(ダラーラスとデュオ・アルバムもあり)らのアルバムに参加していた女性歌手として知られている、かもですね。ここでは人気作曲家達による10曲のオリジナル〜恋歌を綴っているわけですが、なんと上品な歌い口で、澄んだ情感、細やかな哀感を聞かせてくれることでしょう。ギリシャ的弦楽器演奏の調べとリズム感を活かしたバッキングも上品。
…ま、恋の歌の歌詞内容はともかくとして(ギリシャ語わからないですから)、こういう、ぜんぜん張りきらない歌声や、通低音は “静寂” といった趣きの演奏が、身に染みて来るわけですね。