エリトリアの首都アスマラのバーで1970年代から歌い、大きな人気を得たというヴェテラン女性歌手による~00年代のオランダ録音2CDs。独立戦争中の88年頃に亡命するようなかたちで欧州に渡ったそうですが、その渡欧前/70年代の録音は、”エチオピーク・シリーズ”5作目に収録されていました。当然、エチオピア音楽にも類似する展開ですが、5弦の竪琴クラール弾き語りによるティグリーニャ語の歌、そして手拍子と低音打楽器で作り出されるミディアムな複合ビート、サハラ系女性の甲高い囃子声”ユーユー”や混声コーラスも加わり、グナーワにも似たディープな反復演奏を聞くことができます。先にリリースされ、大きな評価を得ている仏コバルトのファイティンガ嬢の、先輩格にあたるような女歌手と考えていいでしょう。実際、ファイティンガのお父さんとも交流があったようです。エリトリアの戦う女性歌手~本家本元!推薦できます。CD1がバンド中心/CD2は弾き語り中心です。群細な英文解説&カラー写真満載のブックレットも嬉しいところ。お薦めできます。