それにしても物凄い浪花節系FUJIの歌い手です。とはいえ、ぜんぜん知りませんでしたねえ、この人…。でも、90年代以降活躍しているコンテンポラリーFUJIの担い手ということでは、少なくとも Wikipedia の “FUJI MUSIC” の項目では、アユバやオベセレより先、筆頭にあげられています。で、デビュー録音は1986か87年だということ、今までに32枚のアルバムをリリースしているそーですよ、まいったなあ…まだまだ知らないことだらけ?育ちはアベオクタだそうですから、先日ご紹介したミニラ、じゃなかった>セフィウ・アラオ・アデクンレの先輩ということになるんでしょうね。が、現在、ライヴの主戦場はロンドンやパリ、そしてNYだったりするそうで、でも、月に2回はナイジェリアに帰って来て、週末ライヴをやってるそーです(ふ〜ん、そういうフットワークなら、東京あたりにも寄ってくれればいいのに…)。フジ・アーティストとしてのモットーは、80年代に先達シキル・アインデ・バリスターやコリントン・アインラがやっていたように、ナイジェリアの時事問題や世相について、自らの歌に織り込むメッセージというものを大切にすること。そして、サウンド面ではヨルバの打楽器群の生音アンサンブルを大切にすること。この2点だそうです(エライ!)。
というようなことは、このサー・シナ・アカニに対するウェブ・マガジンでのインタビューで知ったのですが、余談として、サヒード・オスパとパスマの険悪な関係についての質問に対しては、それはもう解決済みだ、と応え、オベセレのレイプ疑惑に関して質問されると、それは真実ではない、彼は無実だ、ちなみにわたしは女性ファンとの発展的な関係は避けている… 云々、FUJIシーンが未だ“芸能界”であることをうかがい知ることもできました(余談過ぎますが)。で、趣味は卓球とヨルバ小説だそう…。
というようなことはともかく、本作、おそらく最近作ということになるかと思いますが、ドラム・セットこそ使っているものの打ち込みナシ、たま〜にピャラピャラしたシンセがオフで聞こえてきますが、アクセント程度、主軸はそのいかにもFUJIならではのちょっとカスレたドスの効いた浪花節ヴォーカルと、クールにキープされつつもウネリを感じさせる怒涛の打楽器アンサブル!これまで、まったく知らなかったという不明を恥じつつ、オススメさせていただきます!
▽参考LIVE〜お札が舞ってますなあ…、