最初のコラボレーションから数十年を経て、イギリス系イタリア人のフォークソングライター、ピアーズ・ファッチーニとマリの弦楽器、コラの名手、バラケ・シソコが魅惑的なアルバム「Our Calling」を携えやって来ました。2025年春にリリース予定のこの魅力的な対話作品は、絶頂期の名手楽器奏者と、インスピレーションにあふれたソングライター兼作詞家によるもので、大陸を越え、互いの音楽の伝統の交わりから、軽快なタッチで新しい歌の形式を生み出すことに成功しています。
『Our Calling』の種子は、シソコとファッチーニが00年代初めにレーベル・ブルーで初めて出会ったときに蒔かれています。彼らは長年にわたりゆっくりと交友を育み、マンデ人の伝統とイギリスや地中海の民謡形式の間で新しい道を模索し、長い時間をかけ、交流を深めて来ました。シソコは05年にファッチーニ2作目のソロ・アルバム『Tearing Sky』のレコーディングにゲスト参加しました。そして、2020年、彼らの交流はレーベル “Nø Førmat!”の旗印の下で、新たなインスピレーションを得ました。シソコはファッチーニを自身のアルバム『Djourou』収録曲の中、カデンツァとして、バンバラ語で無伴奏で歌うよう申し出、それは実現しました。その後、22年のバラケの次作『The Fire Inside』でもファッチーニは歌っています。この時には、両者とも、デュオ・アルバムを作るという計画を既に共有していました。
そして生まれた本作『Our Calling』、そこには、細やかな配慮と音楽的な直感において作り上げた10曲を通じ、あらゆる意味で移住、移動というものに意味を見出し賛美する演奏があり歌があります。それは、自然を通して、風に運ばれる種子として、季節の変わり目に西アフリカとヨーロッパの間を旅するナイチンゲールのような鳥たちによって、あるいは何世紀にもわたり貿易ルートに沿って音楽のモードとリズムを共有してきた人々によって、繰り返されて来た物語に繋がります。
2人の友人による完全にアコースティックな対話は、パリで録音され、5日間にわたってスタジオ・ライブ録音されました。このアルバムの独創性は、音楽の核に深くマリらしさを感じさせながら、英語で歌われるフォーク・ソング・ライティングのエッセンスがシームレスに行き渡っていることです。
フレデリック・スーラール (Shapes of the Fall) によって録音されたこのアルバムには、ヴィンセント・シーガル、バジェ・トゥンカラ、マリク・ジアドなど、並外れたミュージシャンたちが集結しました。
〜以上、メーカーインフォ意訳
1. One Half of a Dream 4’11
2. I Wanted to Belong 3’50
3. If Nothing Is Real 4’05
4. Mournful Moon 3’51
5. Ninna Nanna 5’07
6. Borne on the Wind 4’12
7. Go Where Your Eyes 5’59
8. Shadows Are 4’20
9. North and South 3’18
10. By Your Hand 5’04