洗練されたアーバンなコンポージング、ブラジル音楽のリズムとegのリフ、フォーキーなアコーステック楽器とイフェクトなどテクノロジーの複合で生み出すハイブリッドなサウンド。古典や定番ばかりでなく、自分たちの世代のことばで作られた楽曲を、というノーヴォス・コンポジトーレスのシーンのなかで、5人のS.S.W.が横一線に並んでパフォーマンスを行なうというユニークなグループ – シンコ・ア・セコの一員で、しばしばその名を目にする優れたコンポーザーにしてS.S.W.セルソ・ヴィアーフォラを父に持つペドロ・ヴィアーフォラ。この’13年に発表となったアルバムでは、15年春の段階で入手困難となってしまっているシンコ・ア・セコの初作(CD+DVD)に収められているタイトル曲”Feliz pra cachoroo” や”Gargalhadas” “Feito Nos”をセルフ・カヴァーしています。これらにはセーザル・カマルゴ・マリアーノの息子のマルセロ・マリアーノ(b)とチアゴ・ハベーロ(ddg4) といったジャズ寄りのプレイヤーとスタジオ・ワークならではのアレンジに編み直して聴かせる新鮮味を感じさせ、”犬に祝福を”という意味のタイトル曲にはシンコ・ア・セコの初期メンバーだったS.S.W.ダニ・ブラッキがゲスト参加、”Gargalhadas”には共作者でシンコ・ア・セコの同僚ペドロ・アルテリオが参加。このペドロ・アルテリオとデュオ作を発表している若手ピアニスト – ブルーノ・ピアッツァが印象に残る未発表曲”Nem Terminou”に参加。そして’14年末になって入荷してきたシンコ・ア・セコの「Policromo」にも収録されている”Veio pra ficar”はここに収められているフリューゲルホルンが印象的なヴァージョンが原型となります。ペドロの秀逸なコンポーズに、カイピーラ・ギターの名手ネイマール・ヂアスが弦楽アレンジを手掛けたm-6″Vai Acontecer” やペドロ・アルテリオ&ブルーノ・ピアッツァのアルバムにも収められているm-11″Amanhacendo”に漂うメランコリア、などなど聴きどころ盛り沢山。駄曲無し。egにイフェクトを掛けて音壁を作る手法はこの世代ならではですが、このロックな要素を持ち前の良い声質と共存すべく抜き差しを行なっているのは流石の感性。(インポーター資料から)