まずは、演劇で表現活動に目覚め、テレーザ・クリスチーナのバック・バンド – グルーポ・セメンチのパンデイロ奏者としてや、ニウゼ・カルヴァーリョのサイドマンとして活躍し、3作目となるソロ・アルバムを発表したカリオカ、ペドロ・ミランダ。ペドロ・サー(g)、アルベルト・コンチネンチーノ(b)、ドメニコ・ランセロッチ(drs) というアドリアーナ・カルカニョットのバックを務める布陣に、カエターノ・ヴェローゾ、アート・リンゼイ、クリスチーナ・ブアルキらが友情参加。
2015年にアート・リンゼイと来日した7弦ギター奏者のルイス・フィリッピ・ヂ・リマがプロデュースを手がける本作では、ルイス・フィリッピの7弦に加えて、アルベルト・コンチネンチーノのコントラバスと独特の間を醸し出すドメニコ・ランセロッチのドラム、egからガットまで独創的なプレイが光るペドロ・サー、プレチーノ・ダ・セヒーニャやパウリーノ・ヂアスらのサンバ打楽器、そしてエドゥアルド・ネヴィス(as, flute)の管アレンジと厚いアンサンブルの中心で、いにしえのサンバが持つ人間味に溢れるメッセージを、どこか戯けたような優しさが溢れるペドロ・ミランダの唄声で体現するという内容。エルトン・メデイロスとゼー・ケチによって’66年に書かれた”Samba Original” のビッグバンド的なアレンジに始まり、ペドロ・サーとアート・リンゼイのサンバにあるまじきツイン・ギターが聴けるm-2″Batuca No Chão”、ノエル・ホーザが’33年に作ったm-3″A Razão Dá-se A Quem Tem”にはカエターノ・ヴェローゾが特別参加。ショーロで知られるアカリ・レーベル主宰のカルロス・フッキ(p) とデュオ編成でしっとり聴かせるm-5″Santo Amaro”、ホキ・フェヘイラとパウロ・セーザル・ピニェイロ作の紛うことなき名曲m-6″Samba de Dois-Dois” や、ジェラルド・ババォン作m-10″Lola Crioula”はアナ・コスタやクリスチーナ・ブアルキ、ニウゼ・カルヴァーリョ、ヴァレリア・ロヴァオンといった友人ミュージシャンたちによるシンガロング・コーラスが聖なる祈りのようにも聴こえます。ヴァラエティに富んだアイディアと技法でサンバを古びさせずに昇華した傑作。
(サプライヤーインフォより)