PATO FU / MUSICA DE BRINQUEDO 2

ジョン・ウリョアとフェルナンダ・タカイの夫婦を中心としたミナス・ジェライスのロック・バンド、パト・フ。2010年にリリースされた「Musica de Brinqudo」は、ミニ・ギターにミニ・ベース、トイ・ピアノや音の出るおもちゃをプロフェッショナルなミュージシャンが演奏、実娘をはじめとするコーラスを従えて、チン・マイアやピチカート・ファイヴといった通常のキッズ音楽とは異なる視点のレパートリーでラテン・グラミーを受賞、40,000枚を超えるヒットとなりました。ここ日本でもSoup Stockのコンピレーションにオルゴールで演奏された”Love me tender”が収録されたので、どこかで耳にして入る方もいらっしゃると思います。

高い評価を得た前作「Musica de Brinquedo」の延長線上、しかし娘のニーナちゃんをはじめ前作に参加したキッズたちももうティーンエイジャーとなっているため、新たに姪やスタッフたちの子息たちで増員されたコーラス隊、ライヴに参加している人形劇団の可愛いモンスターたちも参加、よりキュートな賑やかさを増しています。ジルベルト・ジル本人が「ちいさい人はそれを気に入る筈」とSNSで発言した代表曲のカヴァー”Palco”、ジョアン・ボスコ”Kid cavaquinho” 、北東部音楽フォホーの”Severina Xique-Xique”、ブラジルのポピュラー音楽を代表する楽曲も、フェルナンダの柔らかい唄声とおもちゃの楽器でロービットに分解されたアレンジで痛快な印象を与えるだけでなく、ハイムンドス”I saw you saying” で用いられるスタイロフォンはデヴィッド・ボウイ”Space oditty” で用いられたのと同種であるなど、構想と準備に余念がないことをも窺わせます。リッキー・マーティン”Livin’ da vida loca”や、アンディ・サマーズとフェルナンダのデュオ作も記憶に鮮やかなポリスの”Every breath you take”、B-52’s “Private Idaho”などインターナショナルなヒットもおもちゃの音楽仕立てで。女優デボラ・ファラベラはバンドの初期からのファンですが、リズムマシンを多用していた「Rotomusic de liquidificapum (’92年)」当時からこの25年経った「おもちゃの音楽」への予兆はあったと語る通り、信念を曲げずに大人が本気で遊び心を発揮した結果のエンターテイメント。本来こども向けを想定していないところから独自の視点で取捨選択された意外な選曲が今回もまた秀逸。(サプライヤーインフォより)

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