OZLEM TANER / TURKMEN KIZI

ozlemこれが自己名義のデビュー作になります。トルコ音楽の良心、カラン・レーベルが送り出した弦楽器サズを弾き語る若手女性歌手のアルバムですが、カルデシ・チュルクレール→アイヌール→フェリアル・オネイといったモダーンなトルコ少数民族音楽の再生路線上に送り出された作、と言っていいでしょう。アイヌールほど、アクが強くなく、フェリアルほどアヴァンギャルドでもなく、通りよく澄んだ、そして芯のある民謡系のイイ声を聞かせてくれます。表題が『トルクメンの娘』ということですから、トルコ~イラン~イラクに住まう少数民族、トルコではその多くが今も遊牧的な生活を送るというトルクメン人の娘なんでしょうね、きっと。で、その歌のあり方が、どのうようにトルクメンなのか、まあ、正直なところ不勉強でよくわかりませんが、例えば、本作中には、アイヌールのデビュー作に収められていた同じ曲が再録されていて、較べてみればそのコブシまわし、クルド人のアイヌールの濃厚な歌い口よりも、ずっと滑らかで、涼しげな表情を聞かせてくれます。このデビュー作、曲によってはかなりロック風のギター・バンドっぽいアレンジも取り入れていますが、カルデシ・チュルクレール直系の民俗楽器使用/アコースティック・ベースのバックにおいて、柔らかで透明かつ伸びやかな歌声を聞かせてくれます。CDの出だし、イントロのアカペラで、もうグッと来ます。オススメします。

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