OUM / DIALDDAR

カサブランカの生まれながら、モロッコ南部、モーリタニアから西サハラにかけて話されるアラビア語ハッサニア方言(遊牧民の言葉)を解し、即興性が重視されるハッサニア音楽の伝統を流用しつつ、ジャズやソウル、スーフィー音楽などをフュージョンした独特の音楽性を示して来た自作自演の女性歌手、ウム新作アルバム、2026年作が入荷してきました。

タイトルの “DALIDDAR” 「デリダール」は、“手作り” を意味し、転じて、モロッコで言うところの “ホームメイド(ダリジャ)” という意味に繋がり、本作には、手作りの音、打楽器類とヴォイス、生声においてモロッコの女性達が歌を楽しみ合うという意味が込められているそうです。その意味で、モロッコ方言のアラビア語、加えて、ハッサニア方言による自然な生歌、ベンディールや手拍子、ボディ・パーカッションのみで綴られた本作は、これまで、欧米市場を意識してかしないでか?様々なミクスチュアーやフュージョンを試みて来たOUMらしからぬ?自然さ、多くは、リズムと肉声だけのアルバムとなっています。
伝統回帰、とい言ってもイイかも知れませんが、それよりも、自身の音楽衝動の原点に立ち返った作、とでも言えるのかも知れません?その、地域性が育んだ虚飾のない自然な内容、アーティスティックな面はともかく、ひとりのモロッコに生まれ育った女として、歌うということの喜びが伝わって来るような作か、と思います。
ほか1曲だけ、パレスチナの女流ウード弾き語り、カミーリャ・ジュブランとのデュオも含みます。

〜と、書きましたけど、なんか異和感あり…だいたい、コーラス女声たちのクレジットが CD にはないし、ベンディールと書きましたけど、打楽器の打音はベンディールの音じゃないですよねえ、どー聴いても、それ以上に、ホームメイドとは言え、一体、ここに並んだ曲、モロッコの何処の地方の音楽なんだろう?って、あんまり聴いたことのない感じ…、異和感満載。
で、気づきましたよ、コレ、このアルバム、全部(ジュブランやBab L’ Bluzのユスラ・マンスールとの曲以外は)ウムの独り多重録音じゃないかと…? って、ai に尋ねてみたら、「よくわかりましたね!」って言われました。うう、…
曰く、もともと電子音と生音の違いに拘っていない、とか、ウムにはそーゆー発言もあったそうで、打楽器もシークエンサーで作った合成音だそう。コーラスも独り多重録音だそーです。その意味で、“ホームメイド” だったんですねえ、「手作り」とか「地域性が育んだ虚飾のない自然な内容」とか「音楽衝動の原点」なんて、書いてしまって、恥ずかしいですよ、わたしは、
が、しかし、まあ、なかなかのモノじゃないですか、一筋縄じゃないですよねえ、ウム!

1.PRELUDE (Lmizane)
2.A.B.
3.LACH
4.HAKKA
5.AWAN
6.FLSTYN
7.CHOOQ
8.LALLA
9.MNINE
10.ANAWYYAK

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