ガリシアン・ハープの第一人者、ロドリーゴ・ロマニの新譜はその名も「ブレオガーンの竪琴」。神話の王、ブレオガーンはケルトの文明を持ったガリシアの歴史に欠かせない重要人物です。そんな独自の音楽文化が花開くガリシア地方でその伝統を甦らせたバンド、ミジャドイロの結成時のメンバーであったロドリーゴ・ロマニ、現在はソロでの演奏活動の他、音楽学校で教鞭を取っています。本作は透明感のあるハープの音、浮遊感ある女性ヴォーカル、時にオカリナや口琴なども交え、それぞれの音色が折り重なり、神話の世界を表したかのようなイメージの音がアルバムの最初から最後まで連なっています。妖精のダンスを思わせるような2曲目、夢見心地にさせてくれる3曲目の女声。木洩れ日が降り注ぐような9曲目などなど、ヨーロッパの一方の最果ての神秘の森の中に迷い込んだような気にさせてくれるアルバムです。