生まれ育ったアカシアの森で、フィールド・レコーディング。慈しむように優美な澄んだ唄声と、洗練された演奏との対話。
ジョビン楽曲やジスモンチ楽曲を含むコンテンポラリー・ジャズ作品「Cerebracion」がここ日本でも人気を博したギター奏者オラシオ・ブルゴスのトリオと女性シンガー・ソングライター – メリー・ムルーアの共作。コンテンポラリーなスタイルに姿を変えたタンゴ・クラシックにフォルクローレ、全編を覆う木々のざわめきに小鳥のさえずり。
アルゼンチンのクルス・デル・エへで生まれ、コルドバを拠点に女性フォルクローレ・シンガーとして活動してきたメリー・ムルーア。この作品は彼女が過ごして来た丘を拠点に、アカシアの木が連なる森の丘に機材をセッティング、ジャズの手法でバンドと共に録音したものになります。バックを務めるのはタンゴやフォルクローレを発展させたコンテンポラリー・ジャズ作品で定評のオラシオ・ブルゴス(g) が率いるトリオ。慈しむように優美な澄んだ唄声と、音数の少ない現代流に洗練された演奏が対話を続ける森のなか。A.ユパンキm-2″el arriero”は打楽器奏者ディエゴ・クラークによる木製の音程を持った箱状楽器の演奏のみを背景に歌われ、タンゴ・クラシックのm-10″Flor de lino” はオラシオ・ブルゴスのジャズ・アレンジが冴える現代的なヴァージョンへと。ナイロン弦クラシックg ではなく、フル・アコegの艶やかな音色とフュージョニックなeb がシンコペイトするm-5″Pregonera” や m-6 “Remolinos”の流麗なアンサンブルもアルゼンチン音楽のスタンダードをリノベイトしたもの。メランコリーが溢れ出すE.ファルー作のm-7″Las golondrinas” に、メリー・ムルーア自身のペンによるm-8″Vidala en nombre del hijo”、古典と新作が違和感なく並んで寄り添い、優雅な唄世界へと誘ってくれます。(メーカーインフォより)
[ご好評をいただいていた工場製CDR製品を本国での売切を機に限定正規国内盤プレスCDとして臨時発売。] 2015年12月25日発売/限定国内盤 TAIYO 0028
ブックレット翻訳:鈴木 多依子