なんともスゴイ!ルーツ・エチオピアン、ディープエスト・ヴォイス!〜曰く、“エチオピア北部ウォロ地方を代表する伝統派歌手”ということで、>こちらで紹介されていました(陳謝&感謝!)。
エチオピア音楽のおもしろさ、といえば、やっぱりそのオリエンタルなメリスマと陰音階メロディー、そして独特なハチロク系変拍子ビート、ということになると思うのですが(世界中の歌をいろいろと聴いている方の耳には)、中でもそのメリスマのあり方、旋律の音程高低差をものともしない靭やかな地声の節まわし、時にヴィブラートと見紛うようなコブシ使いの連続に驚かされる、ということはあるんじゃないかと思います。その意味では、その最たる魅力のあり方を教えてくれるこのヴェテラン女性歌手、エチオピア北部ウォロ出身のマリトゥ・レゲセの12年ぶりのセカンド・アルバム、昨今のバックトゥ・ゼヴンティーズな風潮を反映した、王道エチオ大衆音楽流儀〜蛇腹&金管重奏&民俗弦も聞こえる、野趣溢れる生音バッキングを得て、繊細さと強靭さを同時に表現するエチオピアならではの節まわしを存分に聞かせて、なんとも素晴らしい!
bunboniさん曰く “12人の子供をもうけながら11人と死別し、その11人の子供たちの葬式に出席することも許されなかった” というマリトゥ・レゲセ、人生の哀しみを乗り越えたその歌声、伝統エチオピアの21世紀的発露の真骨頂がここにあるかと。