10年ほど前にアフリカへ旅行し、音楽が日常生活の一部となっているそこで交歓したことがこのアルバムの基盤となっています。元来ボリビアのアンデス文化を象徴する民間伝承のルーツ・ソングを探求していたマリアナ・ペレイロは、自然に根ざした生活の中、声で伝える表現が果たす役割の大きさを重要視、ここでもまるで一つの楽器であるように自らの唄声を操っています。自らのコンポジションが多くを占め、自在に繰り出す祈りにも似たスキャットまじりの唄のみでなく、カリンバやンゴニなどの小物楽器の装飾もマリアナが手掛け、ギターにピアノとマルチ奏者のガボ・ロスホフスキー、バラフォンも演奏する打楽器奏者のクリスティアン・コブレ、アルコ(弓)弾きがチェンバーなムードを醸し出すギジェルモ・デルガード(b)、あるいはコーラス・ワークを担うホセフィーナ・カスコという定番とはひと味違うクアルテート編成で新鮮なアンサンブルを構築、m-5″Donde” にはノラ・サルモリアがゲストvoで参加、アルゼンチンの川沿い音楽とアフリカ音楽の融合を目指したユニット – アバリカで演奏するサンティアゴ・ミハエルがm-8″La que ves”にコラで参加しています。カポッチとのデュオ作で”Black bird”とフォルクローレを混ぜるという斬新なアイディアを体現したマリアナは、今作でもボリビアのインディオ女性の唄をループに用いたm-2″Una Señal”や、スペイン人歌手ジョアン・マヌエル・セラートの”Agua”から一節を引用したm-6″Mansa alegria”、ビクトル・ハラ作のm-10″Deja la vida volar”のイントロのハーモニーにはトム・ジョビン”A Felicidade”のメロディーを載せたり、レダ・バジャダレス作m-11″Canto en la rama”ではクラリネットと声に打楽器のアンサンブルで従来のハーモニーを刷新、美しい音楽を敬愛を込めて並列に扱い、まったく新しい形にして提示するというマリアナの音楽美学がここでも活きています。流麗なカンドンベのリズムに、アフリカン・インストゥルメンツの神秘的な響き、そして即興から生み出された新たな音楽の冒険。また未知の音像が我々の手元に提示されました。(サプライヤーインフォより)