MANOLIS FAMELLOS / GIRO AP’ TON ILIO

GIRO-AP-TON-ILIO-cover1968年アテネ生まれの男性SSW、マノリス・ファメロスのソロ11作目2014年作となります。ソロ・デビューは99年なんですが、それ以前、92年に1stをリリースし98年に3rdアルバムを発表し解散したマノリス・ファメロス&イ・ポディラテス(&“ザ自転車”の意)を経てのソロ活動ということなので、実質20年を超えるキャリアの持ち主です。
ハリス・アレクシーウへ曲を提供したり(08年作)、ヨルゴス・ダラーラスの98年のライヴ作に参加したり、グリーク・ロックのヴェテラン、ニコス・ポルトカーログルとツアーをしたり、エレクトロ系やアート系のミュージシャン達とも音楽的関係を結んだり(前作11年作は全編エレクトロ音を導入したPOPアルバムでした)、その活動はいかにも多彩な才人ぶりを伝えるものですが、でも、この人の魅力はと言えば、やっぱりそのメロディーメイカーぶりじゃないかと…。
何気なくPOPだったりロックだったり、フォーキーだったりする装いの中から、その男臭い朴訥な歌声がつむぐメロディー、それは深い部分、というか熟成されて来た下積みの部分で、ライカやレベーティカといったギリシャ歌謡のメロディーに繋がって行くものじゃないかと思います。そしてそれは、結局、ギリシャ以外の何ものでもない旋律と聞こえます。そこら辺のギリシャっぽさに一度納得してしまうと、トラディショナルな風合いは薄くても、やっぱりこれはライカだな、と、そう思わせるものがあるわけです。スタンスとしては本作にもゲスト参加、1曲でリードをつとめている女性歌手、>ナタッサ・ボフィリーウあたりに近いかも知れませんね(ま、近いから共演するんでしょうけど)。

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