フェイルーズに続くレバノンを代表する女性歌手マジーダ・エル・ルーミーが6年ぶりの新作を届けてくれました。フェイルーズの2010年作に影響を受けたか、ゴージャスなフルオーケストラを従え、時にクラシカルに、時にラテン、時にジャズ、時にデプケ、時にキャバレー調に、アラブ歌謡黄金時代を思いださせる王道アラブ歌謡エンタテインメントアルバムに仕上がっています。新曲を中心にしながら、70年代デビュー当時の大ヒット曲を彼女の父親ハリーム・エル・ルーミー(フェイルーズとラフバーニー兄弟を引き合わせた音楽家)とのデュエットや、イラクのカゼム・エル・サーヘルの提供曲などを収録。ゲストになんとユッスー・ンドゥールが1曲参加!(刈谷のYさんがお気づきになりました!)近年では彼岸的な存在となったフェイルーズと異なり(そこんところが魅力でもあるわけですが)、母性的なマジーダの歌声がこの作品を優しく、親しみやすいものにしています。