自然を通し自己と対峙する「禅」の思想を色濃く反映したイケガミケンジの音楽は、尺八とストリングスのみによって生み出される、限りなく無駄をそぎ落としたモダンミュージックであり、過度に欲を満たした現代に異を唱えるレヴェル・ミュージックでもある。また、古典を踏襲しながらも、PCと竹一本で数々のクラブや野外イヴェントを渡り歩いてきたそのスタンスは、僧侶でありながら有髪、腰に刀と尺八を帯し各地を行脚していたと言われる、江戸時代におけるリアルな虚無僧の存在ともリンクする。日本人の心の奥の遠い記憶に訴えかけるような尺八の響きを、最大限に生かすべく構成された音の飛礫(つぶて)たちは、私たちの生活の中にある時間軸に共鳴し、またそこから新しい何かを生み出すヒントを与えてくれるだろう。JUZU a.k.a MOOCHYによる『SILENCE MIND』リミックスはアルバム『Re:MOMENTOS“MOVEMENT”』にも収録された、パーカッショニストのラティール・シーとCRO-MAGNONのコスガツヨシがポエトリーで参加した曲のノーカット・ロングバージョン。尺八の持つ虚無のイメージとJUZUのトラックが融合し、ダンスミュージックとして新たな側面を引き出すことに成功している。(メーカー資料より)