知性派女性シンガーの第一人者として知られる実妹ナー・オゼッチのプロデュース・ワークでシャープ賞やヴィザ賞の栄誉にも輝いたダンテ・オゼッチがギターとプロデュースを手がける本作。ジュリアナ・コルテスと同様にブラジル南部のガウショであるヴィトール・ハミルの楽曲を前作に引き続いて取り上げた冒頭”Uma carta uma brasa através”、そしてm-8″À você amigo”も詩作が作家としても著名なパウロ・レミンスキということで、詩的な表現に重きを置いていることが見て取れます。更に深みを与えているのがクリチーバのベテラン・チェロ奏者ホミウド・ワインガルトネルと、打楽器奏者ギリェルミ・カストルプによる打ち込みの装飾リズム。ウルグアイ人コンポーザー、ダニー・ロペス作のm-2″Germinal”では、アントニオ・ロウレイロがヴィブラフォンで打鍵アレンジを施し、現代音楽的な神秘性を醸し出します。そして作者の一人であるアヒーゴ・バルナベーがゲスト参加したm-3″O Mar”に続いては、ブエノス・アイレスで最も注目される新鋭タンゴ・コンポーザー、ディエゴ・スキッシ(p)と彼のキンテートからサンティアゴ・セグレト(bdn)にフアン・パブロ・ナバロ(b)の3人が参加した、m-4″Bandida”とm-5″Mismo”。溢れ出るメランコリアが秀逸なレオ・ミナックス=エストレラ・レミンスキ作”Mismo”の方では、ハイブリッドMPB先駆者の一人であるパウリーニョ・モスカがジュリアナとデュエット。奇才カルロス・カレカのm-6″Costura pra dentro”などアーティスティックな佳曲に、マルシャとミロンガを合体させたm-10″Outras milonga”のような新たな試みも。前衛と洗練、絹の手触りがひとつになった唯一無比の世界観を展開。(サプライヤーインフォより)