アルゼンチン・コルドバ出身、稀代のコンポーザー/鍵盤奏者フアン・カルロス・インガラモの新作はレジェンダリーなゲストらとの交歓・共有した時間を余すことなく収めた作品。
二枚組大作「Imaginario」とよりフュージョニックな「Improvisaciones」がここ日本の音楽好きの中で局地的にヒットしたフアン・カルロス・インガラモ。80年代にグルーポ・エンクエントロを経て兄弟のミンギ・インガラモや、セーザル・フラノフとのロス・ムシコス・デル・セントロで活動。アルゼンチン・ロックの巨匠リト・ネビアと共にアルバムを制作したり90もの作品で客演、コンポーザーとしてもアレンジャーとしても評価を得る傍ら、建築家としての生業も継続してきたロジカルな音楽家。初のソロ作となった「Improvisaciones」以来、オランダ人チェロ奏者との「Duo」、そして前述の「Improvisaciones」とコンセプチュアルな三部作を発表したベテラン音楽家の新作は、唄を作るコンポーザーとしてのポジションにこだわった作品。国際的にはECM勢と並び評される巨匠リト・ビターレがインガラモの楽曲をピアノで解釈した”Siracusa”に始まり、カエターノ・ヴェローゾが著作を捧げる存在のレジェンド女性シンガー – シルビナ・ガレーの参加した楽曲”Cancion de los rios ebrios”、そしてロック・シンガー – フィト・パエスがピアノを弾きジャズの木管奏者ビクトル・カリオンが参加した”Cuando yo me transforme”、「Duo」には未収録のエレーン・デ・ヨング(cello)との”Milagro”、セルヒオ・アランダやエンリケ・アイエジョの唄やクラウディオ・カルドネのトラック・メイクがセンシティヴに際立つ”Nuevo dia en mi”や”Estampita de luz”、ガルデル賞にノミネイトされるなど現在人気を博すフアン・カルロスの息子のS.S.W.ホセ・フランシスコ・インガラモ(g)とパタゴニアの広大な自然を描き切った兄弟ミンギ・インガラモ(p)が参加したメロウな”Los homer” 、ウーゴ・ファットルーソとの共作でアルバム「Fattoruso-Barrocas」からコンパイルされた”Dices”、現在入手困難な「Imaginario」からオズバルド・ファットルーソが参加した輪舞する旋律が秀逸な”La calesita”、リト・ネビア’96年のアルバムやライヴからの希少音源の再収録まで15曲、コンポーザーとして行ってきた魂の交歓を余すことなく収録した、ヴァラエティ豊かな一枚。(サプライヤーインフォより)