JAMILAH ABU BAKAR / BAYUN TARI PANGLIMA

JAMILAH-ABU-BAKAR2015>こちら前作、2013年のデビューCDはマレイシアのクロンチョン・アルバムでした。が、今作はここのところ誰も歌ってくれなかったムラユー歌謡!堂々、絶えて久しいマレイシア伝統派王道アルバムとなりました(ムラユー的クロンチョン?も勿論収録!)。にしても、ま、アクの強いCDジャケット、80年代だって、あんまりこーゆー昔ながらの木造りマレイハウス丸出しのジャケはなかったように思います。実に古風!?で、あえてこういうデザインにした心意気は内容にもあらわれていて、新曲中心のレパートリー、そしてバック、アレンジにも一本筋が通ってますな。コレまた今時なかなか聴けなくなったアコーディオン、ヴァイオリン、ガンブース(ウード)、ルバーナ(打楽器)ほかの生音アンサンブルが繊細で涼やか、かえって新鮮というものです!ただし、アレンジはけっこう凝ってますね。伝統舞踊リズムの解釈や、そこはかとなく奏でられるキーボードの隠し味も、目立たぬところに工夫があります。勿論、ジャミーラ嬢の、その哀愁ヴォーカル、一聴、ふわふわしていてどこか音程が定かならぬ雰囲気も聞こえますが、それこそ、スマトラあたりの歌謡音楽にも通じるマレイ系ムラユーならではの節まわしというものでしょう(ターラブしかり、遠くアラブ的メリスマがインド洋を経て伝わった姿とでも!?と、…断言して大丈夫なのか?)。そう、それは、シティ・ヌールハリザの伝統POPでは少しばかり切り捨てられてしまったマラッカ海峡の南西風に揺れる海洋性の歌い口、ということになるでしょうか(本当なのか?)。というわけで、いい加減なことを思いつきで放言しつつも、コレは、オススメします!

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