●2000年代初頭からフランスのパリを拠点に、ワールド・ジャズ~トラッド系ポップス路線で活躍。日本でも2003年のアルバム『ドラゴン・フライ』のヒットによって、アジア音楽、ワールド・ミュージックを代表する女性歌手として多くのファンを掴んだフン・タン。
●前々作は、ベトナム伝統楽器を伴ってベトナム民謡を正面から歌い、前作では、中・韓・日のトラディショナル系奏者と共に、極上のアジアン・トラディショナル・ルーツ・サウンドを展開したフン・タン。
●このように、前2作でルーツ回帰路線を聞かせてくれた彼女ですが、新作で取り上げたのは、トラッド路線ではなく、1930年代から1947年までにヴェトナムで流行した大衆流行歌。特に、大衆芸能カイルオンの影響濃厚な南ベトナムの大衆歌謡です。ベトナム南部に位置し最大の経済都市であるホーチミン市が、まだ本作のタイトルでもある“サイゴン”と呼ばれていた頃。第二次大戦から独立戦争に入っていく激動の時代に流行した歌の数々です。
●父親が、カイルオンの大スターで、実姉が、現役のベトナム歌謡の実力派歌手であるフン・タンだからでしょうか、南ベトナムのいにしえのヒット曲を録音しアルバムに残すのは、長年の夢だったといいます。
●ただ、それらの流行歌を当時のままのスタイルで再現するのではなく現代に蘇らせたところは流石、フン・タン。自身が成功したスタイルである、ワールド・ジャズ路線を踏襲し、いにしえの歌達に新たな装いを施しています。
●バックを務めているのは、ジャズ・ヴィブラフォン奏者フランク・トルティエを中心に、ピアニストBertrand Lajudie、ベーシストRichard Metairon、ドラマーVincent Tortiller、トランペッターAlexandre Herichonというヨーロッパ人ジャズ・クインテットに、曲により、揺らぎの音色が特徴的なベトナム伝統単弦楽器ダン・バウ奏者であるXuan Vinh Phuocがゲストで加わっています。
●東洋と西洋双方の音楽の振れ幅の違いが、微妙な緊張感を伴いつつ不思議な空気感を作り出し、フン・タンのたおやかな声でジャジーにムーディーに歌い紡ぎ出されています。(メーカーインフォより)
パリ在、南ヴェトナム出身の女性歌手、フーン・タンの仏 BUDA MUSIQUE からの3作目となる新作アルバムは、ミクスチュアーならぬ異化効果?カイルオン風味漂う南ベトナミーズ大衆歌謡(1930年代から1947年までのサイゴンの流行歌)の歌い口をそのまま、ユーロJAZZのクインテット上で披露(+ベトナムの弦ダンバウ)!違和感と微妙な融和の振れが緊張感を持ってフーン・タンのヴォイスを響かかせています。これもまたOK、ジャジー、ムーディー&スムージーなフーン・タンの新世界!
Franck Tortiller (vib, arrgt), Bertrand Lajudie (p), Richard Metairon (cb), Vincent
Tortiller (dms), Alexandre Herichon(tp) + guest Xuan Vinh Phuoc (dan bau)。
1. Quê Hương Là Gì?
2. Làng Tôi
3. Biệt Ly
4. Xóm Quê
5. Trắng Đêm
6. Đường Lên Sơn Cước
7. Khúc Nhạc Dưới Trăng
8. Một Thoáng Mơ
9. Hương Xuân
10. Lòng Mẹ