HOANG QUYEN / SONG HAP DAN

TV人気番組 “ベトナム・アイドル” シーズン4で活躍し(準優勝でしたが今では同期一番人気!)12年からプロとして歌い始め、16年にCDデビューしたホアン・クエン、26歳のサード・アルバムです!いかにもベトナム女声の一つの典型とも言えそうなアルト・ヴォイスは、”ベトナム・アイドル”番組中でも特に玄人筋からは絶賛(若年層人気が今一つだったそう、さもありなん、アダルトな声ですな)、デビュー前から完璧な歌い手と認知されたそうですが、なるほど、一度聞いたら忘れられない声かも知れません。けれど、その歌い口も、その節まわしがたどるメロディーも、いかにもベトナムっぽさに溢れていながら、現代ベトナム歌謡標準からは随分遠い歌いまわしを聞かせているような…、加えてバッキングもジャジーなのに、時としてオルタナティヴ? よくよく聴くと、ベトナムではあまり聞いたことのないタイプ、音数少ないラフな雰囲気ながら、細やかなキーボード〜サンプリング使い、生ストリングスや金管も配されて、けっこう微妙に野心的な音作りで、そこんとこも魅力的ですね。これまでのアルバムで一番イイんじゃないでしょうか?というか、これまでの2作とまったく趣きの異なる作であることは確か。… で、いい加減なお話ですが、当方では “ベトナムのシャーデー” とか勝手に呼んでます。

ベトナムもの買い付けいただいている◯さん情報ですが、実は、今後ベトナム買い付けができるかどうか、かなり微妙な状況になっているそうです。本盤はじめ、現地で人気の新譜CDに関しては軒並み値上がりしているそうで、その背景には Wi-Fi 整備の進行とともに、youtube 完結型音楽市場の波がベトナムにも押し寄せているということ(そうしたベトナムCD市場状況に関係があるのかないのか、聞くところによれば、とっくに出来上がっているハー・ヴァン新譜も、CDリリースのめどが立っていないそうで、なんだかなあ〜)。相変わらずの海賊盤横行もその傾向に拍車をかけて、軒並みCD屋は潰れて、卸問屋も消えてしまったそう。残ったCD屋は数が売れないから新譜人気盤を高くするという、最悪の選択に傾いたその結果が遠く日本の渋谷の片隅の、風前の灯火が溜息に揺れて消え入りそうな当店なんかにまで押し寄せてきたという、そういったことの次第。そんなわけで今回入荷のベトナム盤、みんなジワジワっと値段が高いです。しかし、本盤は特別高い!

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