*ハワ&カッセ・マディ・ジャバテ/トゥマロ ~ また会う日まで
〈黄金の声〉カッセ・マディ・ジャバテの遺作を、実娘ハワが完成!
グリオーの伝統と親子の絆を描く、魂のアルバム!!
1949年、マリ南西部のグリオーの村ケラに生まれたカッセ・マディ・ジャバテは、柔らかく深い声質で「マリの黄金の声」と称された伝説的歌手でした。兄アブドゥライエの率いる《スーパー・マンデ》で活動を始めた彼は、やがて国営バンド《ラ・マラビージャス・デ・マリ(のちのバデマ・ナシオナル)》の中心的歌手として活躍。渡仏後にはソロ作『Fod』『Kela Tradition』を発表し、1999年にはタジ・マハールとトゥマニ・ジャバテの共演作『Kulanjan』にも参加。さらに、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ結成のきっかけとなったプロジェクトを再現した『AfroCubism』や、ジョルディ・サヴァールの《Les Routes de l’esclavage》でも名唱を披露し、現代グリオー音楽を牽引してきました。そんな彼は2018年5月24日、脳卒中のためマリの首都バマコでこの世を去りました。
本作『トゥマロ』は、カッセ・マディが録音中に急逝した際に未完となっていた遺作を、娘ハワ・カッセ・マディ・ジャバテが完成させた奇跡のアルバムです。グリオー文化の中心地ケラに生まれ、幼少より歌を通じて伝統を学ぶなど、グリオーとしての教養と表現を自然に身につけてきたハワは、透明感のある美しい歌声と豊かな情感で、現代マンディング音楽を代表する存在として広く知られています。
彼女の名を世界に広めたのが、2013年に結成されたユニット《トリオ・ダ・カリ》での活動です。伝統を土台にしつつ、現代的な感覚でグリオー音楽を再構築し、クロノス・クァルテットとの共演作『ラディリカン』や、最新作『バゴラ』(ライス INR-3424)で国際的に高い評価を得ています。
そんな彼女が中心となって完成させた『トゥマロ』は、カッセ・マディが残した未完の音源に、ハワが作詞・歌唱の両面で新たな息吹を吹き込んだ感動の作品です。タイトルの「トゥマロ(Toumaro)」は「また会いましょう」を意味し、父への愛情と別れの言葉、そして精神的なつながりが全編に込められています。全11曲には、グリオーの伝統と家族の記憶、そして現代的な感性が丁寧に織り込まれ、聴く者の心に深く響きます。
演奏には、《トリオ・ダ・カリ》のメンバーであるバラフォンの名手ラッサナ・ジャバテ、ンゴーニ・ベース奏者であり本作のアレンジとマスタリングも手がけたマドゥ・クヤテに加え、マリのギタリストであるラシン・クヤテとガウス・クヤテといった名手たちが参加。プロデュースは、バセク・クヤテ&アミ・サッコの作品などでも知られるイブラヒム・カバが務め、伝統への敬意と現代性を兼ね備えたサウンドが生み出されました。
グリオーの誇りと血の記憶、そして音楽が繋ぐ魂の継承──このアルバムは、家族の絆を超えて、マンディング音楽の永続的な魅力を改めて伝えてくれる作品です。〜メーカーインフォより
●日本語解説/帯付き
1. Sozani
2. Kasse Moro
3. Simbo
4. Fognana Kouma
5. Keme Bourama
6. Niagaleba
7. Kaira
8. Kasse Dya
9. Mande DJali
10. Laban DJoro
11. Toumaro
“マリの黄金の声”と呼ばれたグリオ、カッセ・マディの遺作となった18年の録音ということですが、録音途中にカッセが急逝したため、その後、その娘、ハワが受け継ぎ完成させた作ということになります。要所要所でハワのヴォーカルが歌い継ぎが、ミックスされているわけですが、途中参加といった違和感はありません。カッセの歌い口も至って自然、急逝を予感させるようなところ、まるで、ありません。加えて、11曲中4曲を、ハワがソロで力強く歌ってくれます。制作はイブラヒム・カバ、ということで、流石ですね。
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MAMADOU DJABATE / TUNGA
KANDIA KOUYATE / RENASCENCE
NATIONAL BADEMA / ORIGINAL KASSE MADY
WANDE KOUYATE / DAKAN