★ハムディ・ベナニ&メーディ・ハダブ/ヌーバ・ノーヴァ
“白い天使”の遺作は新しいヌーバ!? ハムディ・ベナニはアルジェリア音楽“マルーフ”の大物シンガーで、白いヴァイオリンを弾きながら歌っていたことから「白い天使」と呼ばれていましたが、2020年にコロナ感染が原因で亡くなってしまいました。そんなハムディが生前ウード奏者のメーディ・ハダブ(スピード・キャラヴァン/デュオ・ウード)と共に制作した作品がこちら。古典的アラブ・アンダルース音楽“ヌーバ”を最新のアレンジで聴かせるといった内容で、伝統的なもののほか、エレキウードやエレクトロ・アレンジを取り入れたサウンドなどもその大きな特徴となっています。(サプライヤーインフォより)
チュニジア国境にほど近いアルジェリア東部に発す、アラブ・アンダルース音楽のサブ・ジャンルとされる歌謡音楽 “マルーフ”、いわゆるアルジェリアン・シャアビにも準じますが、よりトラッドな風合いで古典詩を歌い上げるヴェテラン歌手が、エフェクトや打ち込みを駆使しグルーヴィーなトラックを練り上げる音響派ウード奏者と共演した作ですね。そんなバックのビートが、必ずしも、マルーフならではの朗々とした節まわしとフィットしているわけではないのですが、その交わらないなりの距離感が、通常のマルーフにはありえないクールネスを生み出していることも確か。いわゆるヌーバ(古くからの音楽作法)の雰囲気を携えたアルジェリアン・ロックを生み出していると言えるでしょう。これが歌い手、ハムディ・ベナニの遺作になってしまったそうですが、ライやシャアビとはまた一つ違う、アルジェリアのヌーバ(古い)・ノーヴァ(新しい)な音楽を生み出すキッカケとなったなら、本望じゃないでしょうか?
1 Hosn El Habib
2 Ya Nas Jaratli Gharab
3 Namdah Ouen Goul
4 Istikhbar Maya
5 Damai Jara, Pt. 1
6 Damai Jara, Pt. 2
7 Jani Ma Jani
8 L’inquiétant prélude
9 Achek Mamhoun
10 Kursi Zidane