ベニー・モレー楽団で活躍した往年の名トロンボーン奏者にしてアレンジャー、“トホ”ことヘネローソ・ヒメネスによるダンソーン・アルバムの復刻CDです。オリジナルLP は北米シーコ・レーベル、録音年は不明ですが、50年代後半ぐらいでしょうか?
ダンソーンは、ラ・パロマで知られるアバネーラの基本演奏スタイルとして、19世紀末から20世紀の初めにかけて成立したインスト音楽でした。アバネーラ〜ダンソーンは、アルゼンチンに伝わりタンゴの源となったことは有名ですが、キューバにおいては、後年のチャチャチャやマンボといったダンス音楽発展の揺籃ともなった演奏スタイルです。
本作に聞ける演奏は、その旋律やリズム感に19世紀的な優雅さを残しながらも、ダンソーンをジャズ的に展開した演奏、とでも言えるでしょうか?あくまでもアバネーラのリズム感をキープしつつ、ヘネローソのトロンボーンはじめ、金管やストリングスによる演奏が、ジャム・セッション風の感覚で演じられています。つまり、チャチャチャやマンボの誕生においてダンソンの演奏スタイルが果たしたキューバ系ダンス音楽のモダン化の、そのファースト・ステップにとどまり演奏されているような作品、とでも、言えるでしょうか?
1 Papá Montero 3:12
2 Las Tres Campanas (Les Trois Cloches) 2:17
3 El Beso Que Te Di 2:34
4 Las Cuatro Milpas 2:08
5 Virgen De Regla 2:20
6 El Bombín De Barreto 2:00
7 El Cadete Constitucional 2:53
8 Ansiedad 2:39
9 Linda Melodia 2:25
10 Estrellita Del Sur 2:40
11 Quién Tiró La Bomba 2:39
12 El Himno De Los Marinos 2:41