GAMBANG KROMONG SETIA MUDA / GAMBANG KROMONG BUTAWI

★ガンバン・クロモン・スティア・ムダ/ガンバン・クロモン・ブターウィ

インドネシアの首都ジャカルタの下町を代表するポピュラー音楽がガンバン・クロモン・モデルン。その大スター、ベニャミンS. が逝ってからというものメッタに新録が出なくなってしまった中、貴重と言ってもいいアルバムが登場(といっても2000年作の再入荷ですが…)。ガンバン(木琴)とクロモン(壺型の楽器)を中心としたシンプルな編成。そこに胡弓のような擦弦楽器とクンダン(両面太鼓)が絡んで、ジャカルタの猥雑な下町情緒を楽しませてくれるわけです。で、もちろんベニャミンそっくりさん&イダ・ロヤニそっくりさんをフィーチュアーしての完全フォロワー系アルバムなわけですが…。それでも嬉し!インドネシア首都のファンキー・ミュージックが甦っています。



インドネシアのファンキー・ミュージック〈ガンバン・クロモン〉で ジャカルタの猥雑な下町情緒を満喫!

 インドネシアの首都ジャカルタで古くより親しまれてきた大衆音楽〈ガンバン・クロモン〉。このガンバン・クロモンはジャカルタがバタヴィアと呼ばれていた時代から存在する中国系音楽で、インドネシア独立以前(1945年以前)に一世風靡しました。この音楽はガンバン(木琴)そしてクロモン(壺形の楽器)を中心に、ルバーブ(擦弦楽器)、大きなゴング、クンダン(両面太鼓)なども混じえたシンプルな編成で演奏。この楽器編成によるアンサンブル・サウンドは、一聴したところガムラン音楽を親しみやすく簡易にしたようなものといった印象を受けますが、そこへ演劇的かつコミカルな歌声がのせられることで、ジャカルタの猥雑な下町情緒の風合いがプラスされます。このガンバン・クロモンは、かつては結婚式や大衆演劇の劇中などで演奏されていました。また同音楽はインドネシアで誕生した世界で最も古い歴史を持つポピュラー音楽〈クロンチョン〉深いゆかりを持ち、両者はそれぞれの持つレパートリやリズム・パターンを共有しつつ、その相互作用によって大きく発展していきました。
 オランダ支配下時代のインドネシアで流行したガンバン・クロモンのスタイルは、その約30年後にあたる1970年代に刷新され再登場。ファンキーな歌声を持つ男性歌手〈インドネシアのJ.B.〉ことベンヤミン.Sが、従来までの楽器編成にホーンセクションをプラスし、ファンキー・サウンド版ガンバン・クロモン、いわゆる〈ガンバン・クロモン・モデルン(=モダンなガンバン・クロモンの意)〉スタイルを打ち出したことで、当時の若者たちを熱狂させました。また、彼のレコーディングには名うてのクロンチョン・ミュージシャンたちも参加。ガンバン・クロモン・サウンドは多様な音楽要素を吸収しながら進化していきました。
 本作のオリジナル・リリースは2000年。ベンヤミン.Sが打ち立てたガンバン・クロモン・モデルンの方向性を受け継ぎつつ、さらなる現代性を加味した内容となっています。本作の主役であるガンバン・クロモン・スティア・ムダは、伝統的なガンバン・クロモンの楽器編成にクロンチョン・ミュージシャンたちによるヴァイオリンとフルートのアンサンブルをプラス。そこへベンヤミン.Sのファンキー・ヴォーカル・スタイルを踏襲した男性歌手のコミカルな歌声、可愛らしい女性歌手の掛け合いなども混じり合います。そのエキゾチックかつコミカルなサウンドは、ジャカルタの濃厚な下町情緒やトロピカルな心地よさがたっぷり。インドネシア音楽がお好きな方なら、ガムランやクロンチョンなどとの共通性を探しながら聴くのも楽しいかもしれません。
 伝統からポピュラー・ミュージックに至るまで、インドネシア音楽の魅力的な要素を散りばめられたこのガンバン・クロモン。作品/商品としてはあまり流通していないスタイル/ジャンルの音楽ですので、ご興味をお持ちになられた方は是非この機会にご入手ください。 (メーカーインフォより)
●日本語解説/帯付き

1. MAMAT ANAK BETAWI
2. MINTA DUIT
3. GAMBANG KOMBINASI
4. LAMPU MERAH 1
5. SARENDO RENDO
6. KAMBING ITEM
7. BINI TUA
8. IRIS KETIMUN
9. KOMPOR MELEDUK
10. GARA GARA ANAK
11. ONDEL-ONDEL
12. KEMBANG JATO
13. SAYUR ASEM
14. RIDHON
15. JALI JALI

go top