CLARA PETRAGLIA / SONGS FROM BRAZIL

 

サンバ以前の「ブラジルの歌」が大集合!
ギター弾き語りでさわやかに楽しませてくれるブラジルの古謡の数々!!

ブラジルにおいて、その芸術家たちが意識してブラジル独自の文化を標榜するようになったのが1920年頃だったと言われています。その重要な起点になったのが1922年2月にサンパウロの市民劇場において開かれた「近代芸術週間」というプロジェクトでした。文学や音楽、絵画などの幅広い分野の芸術家たちが一堂に集まり、それまでの西欧一辺倒だった方向性から脱皮して、その視点を「ブラジル」に向かわせます。18世紀に生まれたモジーニャやルンドゥーといった音楽が最初に注目されたのもこの頃。さらにブラジル各地の民謡を採譜したり、その様式を受け継いだ新しい楽曲が作られたりしました。いわばキューバにおける「アフロ・クバニスモ運動」、あるいはペルーなどの「インディヘニスモ運動」と同様の流れがブラジルにもあったということです。
そんな時代に発見されたり作られたりした曲を、50年代においてギター弾き語りで再現してくれたのが、無名の女性歌手クラーラ・ペトラーリアでした。しかも彼女が活動しレコードを吹き込んだのは、ブラジルではなくアメリカでのこと。55年と58年に計2枚のLPをウェストミンスターというレーベルに残します。それらを2イン1にしたのがこのCD。もちろん、世界初CD化となります。
ここで歌われるのは、まずは18世紀から親しまれたブラジル最初の大衆歌謡であるモジーニャやルンドゥーです。「近代芸術週間」の首謀者であり、モジーニャ研究の第一人者でもあった詩人/小説家マリオ・ジ・アンドラージが残した唯一の自作モジーニャも収録されています。
さらに大部分を占めるのが、「近代芸術週間」以後のナショナリスト世代を代表するヘケル・タヴァーレスやジャイミ・オヴァーリ、さらには30年代に活躍したヴァルデマール・エンリッキ、ジョウベルチ・ジ・カルヴァーリョといった作曲家たちの作品です。彼らはもともとクラシックの素養を持つ音楽家でしたが、ブラジルの田園風景を感じさせる作品を積極的に作りました。それらがもともとチアトロ・ジ・レヴィスタという、当時人気があった舞台芸能の場で歌われたという点は、キューバのエルネスト・レクォーナらが作ったルンバなどと共通します。
そんな古い時代の知られざる名曲の数々を、さわやかなギター弾き語りで楽しませてくれるのがクラーラ・ペトラーリアです。これまで日本で紹介されることがなかった知られざるブラジルの古謡の数々を、たった一人でほがらかに軽やかに、まったく堅苦しく感じさせることなく楽しませてくれるところがこのアルバムの魅力です。
もちろん、ディスコロヒア発のいつものアルバムと同様、今回も詳しい解説をつけてお届けします。ノエール・ローザ以前のブラジル大衆歌謡がちゃんとした形で紹介されるのは今回がはじめてです。

〜メーカーインフォより ●解説:田中勝則

トラックリスト
1. Batuque
2. Leilão
3. Taieiras
4. Tirana
5. Gibi Bacurau
6. Se Fores Ao Rio Roxo
7. Violeiro da Estrada
8. O Que o Ouro Não Arruma
9. Festa
10. Dança de Caboclo
11. Azulão
12. Banho de Cheiro
13. Viola Quebrada
14. Boi Tungão
15. Bambalelê
16. A Mulata
17. Meu Limão, Meu Limoeiro
18. No Jardim de Oeira
19. Côco de Minha Terra
20. Azulão
21. Pingo D’água
22. Morena Morena…
23. Meu Barco É Veleiro
24. Destino de Areia
25. Regina
26. Rolinha
27. Prenda Minha
28. Pregões Cariocas
29. Maringá
30. Esconde Esses Teus Olhos
31. Amor
32. Batuque
33. O Que Eu Quero Dizer ao Seu Ouvido
34. Amor Perfeito
35. Yayá Você Quer Morrer

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