国内リリースされました!
何かわけわかんないわけですね、相変わらず…。イスラエルで最も幸福なバンド!?の4作目のアルバムが登場です。その “The Jewish kind of spaghetti westerns sound and a touch of psychedelic Mediterranean Bellydance with a modern surfin’ twist” 精神は遵守されるどころか、より深まっているわけですね、相変わらず…。
ところで、本アルバムは2部構成になっていて、ファースト・パートには〜 YouTubeにアップされている動画素材を切り貼りし一つの楽曲を作り上げるというアイデアマンであるところのクチマンと、元ブームパン/バルカンビート・ボックスのサックス奏者だったエヤル・タルムディ(現MALOX)のふたりをフィーチュアーし、ブームパン達の両親の世代の古き良きイスラエルのヒットナンバーを7曲カヴァーした “MANARA” パート、そしてセカンド・パートは 〜近年のブームパンによるシングル・トラック4曲の初アルバム収録パートということで、 “SUMMER SINGLES”(白眉はツェッペリンの黒犬カヴァー!リードヴォーカルは話題必至のカロリーナ!!) =合計11曲のラインナップが楽しめるCDなっているわけですね。お聞き逃しなく!
『FUJI ROCK FESTIVAL ’14』出演決定!!
7月に日本ツアーも決定したイスラエルのサーフロックバンド・BOOM PAM。1970~80年代にイスラエル~地中海でヒットした懐メロのカヴァーや、自作の新曲を加えた2013年最新作の日本盤が登場!!
本国イスラエルではちょうど一年前の2013年にリリースされ、この度、めでたく日本発売されることとなったブーム・パムの『マナラ&サマー・シングルズ』。このアルバムは四枚目のオリジナル・アルバムと言うよりも、前半7曲の『マナラ』と、後半4曲の『サマー・シングルズ』が組み合わさった編集盤的な内容となっている。
『マナラ』はイスラエルのガリラヤ北部にある、集団農場「キブツ」のある小さな村の名前。2011年3月、Boom Pamの三人は、親しい音楽仲間であるマルチ楽器奏者のクティマン(Kutiman)とサックス奏者のエヤル・タルムディ(Eyal Talmudi)とともにマナラにある古い体育館に籠もり、一週間かけて7曲を録音した。
この五人がヤッフォから車で二時間半かけて北上したマナラの古い体育館に、自分たちの楽器やアンプやスピーカー、録音機材を全て持ち込み、スタジオ・ライヴ形式でレコーディングを行った。以下はこの5月に僕がウリに行ったメール・インタビューの発言から。
「僕は常にインストゥルメンタル音楽を愛してきた。言葉を一切使わずに、メロディーやテクスチャー、そしてリズムを通じて行う表現だ。このアルバムはインストゥルメンタル音楽というジャンルへの僕たちからの一種のトリビュート作品なんだ」
(1) 『Telstar』は独特のエコーがかかったサウンドにより「イギリスのフィル・スペクター」と呼ばれたプロデューサー、ジョー・ミーク(Joe Meek)による1962年の曲。テルスターとはアメリカ初の通信衛星の名前であり、アメリカとソ連による宇宙ロケット打ち上げ競争真っ只中の時代に咲いた徒花的な名曲である。
(2) 『Çiçek Dagi』は60年代のトルコに現れたトルコ民謡+サイケデリック・ロック・サウンド=「アナドゥル・ロック」の創始者、エルキン・コライ(Erkin Koray)の1968年の曲。
(3) 『Delilah Jones』はアメリカ人映画音楽作曲家エルマー・バーンスタイン(Elmer Bernstein)による1955年のハリウッド映画「黄金の腕」のテーマ曲。
(4) 『Manara』は今作のためにウリが書いた新曲。
(5) 『Cecilia Ann』はアメリカのサーフギター・バンド、ザ・サーフトーンズ(The Surftones)の1964年のヒット曲。1990年にはアメリカのザ・ピクシーズ(The Pixies)がカヴァーしたことで再評価された。
(6) 『Neimat Haoud』はイスラエルのミズラヒー・ロック・バンド、レハカト・ツリレイ・ハウード(Lehakat Tzliley Ha’Oud)の1975年の曲。オリジナルはタフビーツから日本盤発売されているイスラエル音楽のコンピ盤『Mediterranean Grooves & Raw Sounds』に収録されている。
(7) 『MISSING LINK』はもウリの新曲。2005年に亡くなったアメリカ人の伝説的サーフ・ギター奏者リンク・レイ(Link Wray)のためのオマージュ曲である。
ここからの4曲は全て歌がフィーチャーされた『サマー・シングルズ』。ウリによると、これらの曲は作曲し、演奏し始めた時から『サマー・シングルズ』と名付けていたそうだ。(9)の『Ein Galim』、(10)の『Ars Meduplam』は正式なミュージックビデオが、(8)『HaYareach VeAni』もエルサレム新市街のマハネ・イェフダ市場で撮影されたライヴビデオが存在するので、是非YouTubeなどでチェックして欲しい。
ここ日本ではレッド・ツェッペリンのカヴァー(11)『Black Dog』が一番の話題となるかもしれない。このダイナマイト級のインパクトを持つカヴァー曲で共演しているカロリーナ(Karolina)はイスラエルのオーガニックソウル系女性シンガーソングライター。最新アルバム『Zohar』はウリがプロデューサーを務め、全編がBoom Pamサウンドとなっている。機会があれば是非探して聴いていただきたい。
「(このアルバムが)自分のルーツに回帰することなのか、または別の時代の遠い国々のサウンドを探検したいだけなのか、まだわからない。でも、僕は初期のロックンロールとエキゾチックな民謡のミクスチャーを聴くたびに常に興奮してきた。それが本作を作る動機であり、僕が曲を書き、演奏することの動機だと思うんだ」
(サラーム海上 ライナーノーツより引用)