以下、深沢センセーのfacebook から、今回は、一応、お断りして(…)転載させていただきました。ためになります。>★
ミュージック・マガジン・ワールド・ベスト10の合議が先日終りました。1位は皆さん予想通りの、いや、ここで順位をバラすわけにはいきませんので楽しみにお待ちくださいね。
自分にはこの後もレコード・コレクターズ誌ワールド・リイシュー・アルバムのベスト5の選出作業があり、候補作品を色々チェックしていたんですが、何気でエルスールさんのホームページを見たら気になるアルバムがあるでないの。
それがこのバルカ・サウンドというコンゴ共和国(ブラザヴィル)のグループ。80年代の録音を編集した内容なのでリイシュー・アルバムの対象となりますから、早速チェックしてみたら、これがかなり面白かった。
グループの中心人物はンキビ・アルベール(Nkibi Albert)という人物で、南部出身のベーンベ(Beembe)人。ベーンベの人々はベンベ(Bembe)もしくはバベンベ(Babembe)とも呼ばれますが、彼は民族楽器ンゴンフィ(Ngonfi)という5弦リュート奏者でもあるそうです。ソロとして活動していて”Ah Lusialala“というヒットで知られたそうですが、72年にグループを結成。それがこのバルカ・サウンドです。
「バルカ」というのは彼らの出身地と思われる南部ナイアリ渓谷(Vallée du Niar)を中心とした地域のダンス音楽で、そこにエレキ・ギターやベース、ドラムスを加えてアップデイトし、曲によってはサックスやフルートが加わった楽曲もあります。
民族的なリズムにエレキやベースが加わり、時にルンバ・ロック風なアレンジが聞けたり、特にサックスが入ったナンバーはループするような感覚にハマりそうで気に入っています。ちょっとフェラ・クティというより、マヌ・ディバンゴ風だったりする部分もあるんですが、全体的にゴツゴツした野性味を感じさせる感覚が彼らの魅力で、民族性と現代性が不思議にマッチした面白さがありますね。どこかジャーマン・ロックのバンド、カンを思い出したりして。アルバムの後半は、少しフォーキーな楽曲も収められています。
アルバムは81年に発売したのが最初のようで、翌82年にセカンド、さらにメンバーたちのアルバムもあります。ファースト・アルバムのライナーには、
「バルカ」とすべてのコンゴの村のリズム (wara、ndara、olima、nzobi など) を現代的に統合、その普及を目指す。ンゴンフィと現代的サウンドを組み合わせサウンドとハーモニーを豊かにし、コンゴ文化の統一と国際化を意図しています云々、と書かれていて、文化運動的な側面も持ったユニークなグループだったようです。
80年代半ばにはブラザヴィルのレストラン”Chez Tantine Clara”とホテル”Cosmos Frantel”で専属で演奏していましたが93年からの内戦で活動休止、96年に再編されましたが97年に解散。これまで全く知りませんでしたが、一聴の価値は充分ありますよ。
1. AH LUSIALALA
2. NI KUEL’KO
3. BIA SALA
4. BASI BAYELE
5. LEKOU
6. BUKUT’ BUA KINGUENGUI
7. ZANDU DIA NGO
8. HA TA BA BETU KU BULA
9. KU MAVULA
10. KIDULU
11. WA YIWOU
12. KA MU WILA KO
13. NIA NIA
14. KWELE
15. MWAN KISANA
〜CD曲目には15曲記載されていますが、13曲しか収録されていません。
あるいは、メドレーなんでしょうか?謎です。
*全く問題のない中古盤で在庫あります。¥1700