ART FAZIL / RENTAK

マレイ系シンガポーリアンSSW、アート・ファジル最新作、リリースされているの気づいていましたが(youtube にいろいろ出ていたシングル録音が集められ1枚のアルバムに)、遅ればせながら初入荷です ( Thanks Jassmin!! ) 。で、これまで以上に実にリラックスしたムラユー風味満点の明朗ギター弾き語りPOPアルバムに仕上がっていて、思わず嬉しくなってしまうんですが、とはいえ、この陽気さは一朝一夕で辿り着いた境地でないこと、93年のメランコリックな英語弾き語りデビュー・アルバムから、09年のバック・トゥ・ルーツな名作 ” SYAIR MELAYU” 、12年のムラユー系メロ満載のフォーキーPOP作 “NUR” などをお聴きになっている方なら、ご理解いただけるかと。
それに、単に明るいPOPではないことは、ムラユー・メロを生かすリズム使いの一筋縄ではないミックス感覚〜ロックスティディやダンスホール、バイーアのブロッコアフロやウェスタン・リズムに微妙に収斂するマレイ作法の器楽使い、アコーディオンやガンブス(ウード)、レバーナ(フレームドラム)やブラスほか、そこにさりげなく繰り出されるアレンジの妙味など、聴けば聴くほどに音楽的に奥行きある明朗明快さ、納得されるかと思います。
そう、なんか、この季節、そろそろと、こーゆーの聴きながら晴れた日にドライヴしたら、さぞリラックスして気持ちのイイ一日を過ごせるんじゃないかと(30年ぐらい運転したことないんですが)。>こちらで紹介されていました(感謝)!

▽ アートさんお忍び来日!サインいただきましたよ!(1/26, 2026 )
もう、入手困難な名盤です!
〜余談ですが、ずっと欲しかったということで、アートさんに>こちらのCDをお買い上げいただきました。
なるほどなあ…と、何となく納得!

 


▽”RILEK BRADER” =relax brother のこと!

Accordion– Fadhli Ramlee (tracks: 1,5,7,8)
Artwork By– Azlan M Said
Backing Vocals– Rie Rahim (tracks: 7)
Bass– Art Fazil ( 3), Din Safari (tracks: 1, 5, 7, 8), Moxy Banjir (tracks: 2), Nizam Aziz (tracks: 3)
Drum [Rebana]– Ar (tracks: 8), Ustaz Khair Adin (tracks: 8)
Drums– Bobby Singli>
Executive-ProduceJasmin Hew
Flute– Alhafiz Jaacks: 2)
Guitar– Dydo Banjcks: 2)
Mandolin– Fadhli (tracks: 8)
Percussion– Qamartracks: 4), Wan Abang (tracks: 2)
Photography By– F5)
Producer, Writtencals, Acoustic Guitar, Ukulele [Guitarlele], Programmed By– Art Fazil
Recorded By– T:zis: 2)
Recorded By [Addi– Blair Lokman (tracks: 8), Nizam Aziz (tracks: 2), J-Nivus* (tracks: 1,6,8)
Recorded By, Mixeastered By– Nizam Aziz (tracks: All except track 2)
Tenor Saxophone– smail
Trombone– Shamin /li>
Trumpet– Naharudied
Vocals– Imuda (tr,6,8)
Voice Actor– Briaond (2)

 

〜〜〜以下、 けっこう昔に、NHK「地球ラジオ」で本CDを、紹介させていただいた時の台本元原稿です。

シンガポールはマレイ半島の南端に位置する都市国家です。
60以上の小さな島と、高度に都市化されたシンガポール島からなる島国です。
東京都の3分の1ほどの国土に、560万人が住んでいいます。
経済的には国際競争力が非常に強い国とされ、アジアの金融センターと呼ばれ、海運や通商も
中国系、マレー系、インド系の人々が住む多民族国家でもあり、東西交通の要衝として貿易、海運、航空事業も盛んです。
「ガーデン・シティ」と呼ばれる美しく整備されたシンガポールは観光地としても人気があります。

「シンガポール、底抜けに明るいマレイPOP」

今回は、シンガポールにマレー人として生まれた男性シンガーソングライター、アート・ファジルをご紹介したいと思います。
子供の頃は、マレーシアとシンガポールを行ったり来たりの生活だったそうですが、そんな中、ロックやレゲエに夢中になったそうです。
十代の終わり頃から曲を作るようになり、90年代の初めにロック・バンドに参加し2作のアルバムを発表するも解散、その後、イギリスへ渡り音楽修業、2000年にはシンガポールへ帰国し、英語で歌ったPOPソング・アルバムをヒットさせますが、その次の作ではマレーの伝統音楽に挑戦しています。
と、まあ、紆余曲折があった人ですが、そんな経緯の後に発表されたのが、今日、聴いていただく2曲が収められた新作です。
それでは、まず1曲聴いていただきましょう。
その名は Art Fazil アート・ファジル
曲名は Rilek Brader 「リラック・ブラダー」
どうです。
明るいですよね!
吹っ切れています。
フォーク調というか、カントリー&ウェスタンみたいなリズムに乗せて、ギターを抱えて歌うアート・ファジル。
そこにゲスト、っていうか、相棒って感じの男性が合いの手を入れたり、いっしょに歌ったり、掛け合い漫才のように歌っていました。
アジア広しといえ、今時、これだけ陽気でな曲、なかなか聴けないんじゃないでしょうか。
しかも、ただ陽気なだけ、というわけでもなく、まず、マレー語で歌っていること。
そして、よくよく聴くと、マレーの伝統歌謡の旋律が取り入れられ、マレー音楽で重要な楽器、アコーディオンも使われています。
曲名の「リラック・ブラダー」は、英語表現のマレー訛りで、「リラックス・ブラザー」つまり「兄弟、リラックスしなよ」という意味。
しかもマレイ語で、ブラダーは勇敢とか一徹な人という意味らしいので、「ジャンガン・ブラダー」〜つまり勇敢になることないよ、とも歌っていました。
コンピュター仕事に疲れた時、車の運転中に追い越された時、彼女に振られた時、リラックスしなよ、ムキになる必要なんかないよ、と、なかなか、イイ歌じゃないですか?
それでは次の曲です。
曲名は Melayu Di Kota Inggeris  「ムラユー・ディ・コタ・イングリス」です。
これまた明るい曲でしたね。
ロックのリズムとマレイの伝統舞踊のリズムが合体したみたいなアップテンポの曲でした。
こんな曲聴きながら、ドライブでもしたら気持ちイイでしょうね。
でもその歌の内容、気楽な感じで歌っていますが、ちょっと複雑かも知れません。
多民族国家のシンガポールでは、家の外に出れば英語を話しますが、家庭ではマレー語、中国系だったら中国を話すことも多いそうです。
そんな環境をテーマにした歌でしょうか。
歌詞内容はこんな感じです。
僕はちょっと変だ。
英語とマレー語で話す。
古くからの習慣はまだ根付いたまま。
お父さんお母さん、いつの日かまた一緒に暮らせるよね、
青い目の女の子、その笑顔はどういう意味?
そう、僕はマレーの女の子も大好きなんだ。
って、こんな感じでしょうか?
底抜けに明るい、シンガポールのマレイPOPを聴いていただきましたが、その明るい曲の中にも、シンガポールで生きていくことの矛盾、というか、多民族が共存する都市国家での、バイリンガルな生活の中にも、居心地の悪さみたいなものがある、ということでしょうね。
大体、みんながリラックスしている国で、「リラックスしなよ兄弟」なんて歌う必要もないでしょうからね。

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