1990年代のワールド・ミュージック・ブームの頃にここ日本でも大きくプロモートされ、93年には久保田麻琴プロデュース作で日本デビューも果たしたマレイ歌謡の女王アイシャ。その後、伝統系の歌を中心に活動するようになった彼女の2010年作(にしてラスト・アルバム)がこちらです。タイトルの『アナック』とは子供のことで、彼女の二人の息子さんに捧げた内容の模様。宗教色の強い、ムスリムの彼女らしい作品と言えるでしょうか。アカペラ多し、簡易な打楽器演奏やピアノがついたり、実にシンプルな内容ですが、これもまたマレイ歌謡、染みるものがあります。で、顔は少しふっくらしましたが、歌声は往時のそれと全く変わりありません。