☆ヘナート・ブラス、ナイロー・プロヴェッタ、エドソン・アルヴェス / シレンシオ~ジョアン・ジルベルト・トリビュート
史上最高のジョアン・ジルベルト・トリビュート・アルバム。ジョアンの「シレンシオ(静寂)」を再現することに成功した唯一の作品が、待望の国内盤リリース。
モニカ・サルマーゾらと並び現在のMPB(ブラジリアン・ポピュラー・ミュージック)界で高く評価される男性シンガー、ヘナート・ブラスがジョアン・ジルベルトのレパートリーを唄った珠玉の作品。エドソン・アウヴェス(ギター)、ナイロール・プロヴェッタ(クラリネット)という二人のメストリ(マスター)を迎えた余白を大切にした編成は、ボサノヴァの「シレンシオ=静寂」、そしてジョアンが大切にした古きよきブラジル音楽の「サウダーヂ」を表現することに最も成功したアルバムといえる。シレンシオ=静寂と題された、このジョアン・ジルベルト・トリビュート作品のレコーディングが決定したことを受け、ジョアン・ジルベルトの甥である映画監督ゼカ・フェヘイラが本CDのメイキング映像「エンサイオ・ソブリ・シレンシオ」を製作。ブラジルの文化系テレビ局カナウ・ブラジウも出資し、ドキュメンタリー映画として放映したところ好評を博した。いよいよ、そのCDがリリースされる。なお、この録音はジョアン・ジルベルト本人も耳にし、非公式ながら気に入っているという旨のコメントを残しているとのことだ。(以上、メーカーインフォより)
最小限の音(ギター&クラリネット or サックス)とヴォイスで、ジョアン・ジルベルトのボサノーヴァ、その行間に息づくシレンシオ(静寂)まで表現してしまった佳作、ということですね。実に、近年稀に見る大人のボサノーヴァです。デコレートされたものは一切なく、ボサノーヴァに必要なもの、古いサンバから受け継いだリズム感と、そのリズム感に乗るにふさわしい、決して情緒過多にならない、しなやかな旋律とプライヴェートかつライトな歌い口〜そんな条件を満たしながら淡々と、シンプルなればこその瑞々しさを聞かせるCDとなっています。ジョアン曲のみならず、ウィルソン・バチスタやドリヴァル・カイミ、アグスティン・ララまでカヴァーする “ボサ” 理解の深さも手伝い仕上がられた “ボサ” 純度 100% の作品と言えるでしょう。余計なものは何も聞こえません。大人のブラジル音楽ファンにオススメします!
1. Pra que discutir com madame? (Janet de Almeida / Haroldo Barbosa) 2. Preconceito (Marino Pinto / Wilson Batista) 3. Eu sambo mesmo (Janet de Almeida) 4. Avarandado (Caetano Veloso) 5. Acapulco (João Gilberto) – instrumental 6. Estate (Bruno Martino / Bruno Brighetti) 7. Besame mucho (C. Velazquez) 8. Doralice (Antônio Almeida / Dorival Caymmi) – Instrumental 9. Acontece que eu sou baiano (Dorival Caymmi) 10. Bahia com H (Denis Brian) 11. Eu vim da Bahia (Gilberto Gil) 12. Caminhos cruzados (Newton Mendonça / Tom Jobim) 13. Farolito (A. Lara) 14. O grande amor (Tom Jobim / Vinícius de Moraes) 15. Louco (Henrique de Almeida / Wilson Batista) 16. Cordeiro de Nanã (Mateus / Dadinho)
▽Musicians
Nailor Proveta – saxofone e clarinete
Renato Braz – voz
Edson Alves – violão
■ヘナート・ブラス Renato Braz (ボーカル、ギター)
1968年サンパウロ生まれ。1996年のデビュー・アルバムRenato Brazに収録されたAnabelaがヒットしてその美しい歌声が注目を浴びる。2002年のビザ・ブラジル音楽賞を受賞して一流アーティストの仲間入りをし、音楽界にその名を広く知られるようになる。2004年にソプラノサックス奏者ポール・ウィンターと共演してアメリカでのデビューを果たし、2008年のポール・ウィンター東京公演にもゲスト出演。2014年には8枚目となる本作を発表するほか、日本の童謡集を制作する構想もある。