カースト制度からの社会的に公認されたエスケープ人生〜“生き方”として確立されているベンガルの秘教的音楽家たち、あるいは托鉢の吟遊詩人とでも言いますか、当方はそういう風にバウルを理解してきましたが、このファリダ・パルヴィーンは、どちらかと言えば、もう、コンサートホールのバウル、という感じがしますね。バングラデシュ1954年生まれ〜バウル歌謡の女王とされている人です。08年には来日公演もありました。仏オコラや日本のキングからもCDがリリースサれているので、ご存知の方は多いでしょうね。特に、バウルの先達でもあり、タゴールと並び称される農村の風狂詩人、フォキル・ラロン・シャハ(1774?-1890)の詩を歌うことにおいて、ナンバーワンシンガーとされています。貴重な現地スタジオ録音ですが、CDR、ジャケも簡易なカラーコピー、一応その旨。内容的には、ややPOP?と言ってしまっていいのか、オコラやキングの民俗音楽仕様とはひと味違うストリングス入りのバックで、瑞々しく柔らかな歌い口を聞かせて、親しみやすい作となっています。