百花繚乱、サンパウロのノーヴォス・コンポジトーレス界隈のコンテンポラリー・ジャズから、ことばも無しに饒舌にシーナリーを語りかけてくるクィンテートの作品を。
’03年にエルメート・パスコアルの提唱する”Musica Universal” に啓蒙を受けた若者たちによって結成されたグルーポ・シンカード。前作発表時に共演したバンドリン奏者アミルトン・ヂ・オランダの音に対する姿勢や考え方を採りいれ、サックス奏者をトロンボーン奏者にリプレイスして取り組んだ2ndアルバムとなります。セミ・アコ eg の円やかな音色でパッセージを繰り出すギリェルミ・ファンティを中心に、アラン・パルマ(tb)、パウロ・レミ(p, acc) 、フィ・マロスティカ(b)、チアゴ・メカッティ(drs) というメンバーで、滑らかで流麗なサンバ・ジャズから、インプロヴィゼーションを交えたボレロ(m-3″Bolero do coronel”)、スキャットを交え叙情を醸し出すワルツ( m-6 “Repouso”)などメンバーそれぞれが書き下ろした楽曲、そしてピシンギーニャのショーロ曲を北東部リズムを交えたモダン・ジャズへと変革したm-5″Lamentos” 。どれもが上質に洗練された響き方をするにも関わらず、詩的に聴こえるのはトロンボーンやコントラバスといった音階の狭間まで表現できる楽器とピアノの澄んだ音色、ギターやアコーディオンの情緒、ブラジル音楽のリズムを踏まえた自在なドラムス、これらのアンサンブルとアイディアが見事に嵌っているからでしょう。(インポーター資料から)