V.A. / MALOUF, MUSIQUE ANDALOUSE D’ALGERIE


malouf2cd-mlpマルーフというとモロッコ、チュニジア、レバノンなど、アラブ諸国で愛されている古典詩を元にした即興的なヴォーカルものという印象がありますが、アルジェリア東部、チュニジア国境に近いコンスタンチーヌ地方に伝わるマルーフは、スペインから彼の地へと伝えられたアラブ・アンダルース音楽のサブジャンルです。ちなみにマルーフとは「習慣的な、いつもの」という意味だそう。
おなじみ仏MLPによる2CD DOUBLE BESTシリーズ最新作はそんなアルジェリアのマルーフの登場です。1940〜60年代の録音を集めた全11歌手18曲を収録。同時代のシャアビそっくりの西洋楽器によるアレンジの曲から、シンプルなヴォーカル中心の曲、民俗楽器だけをバックにした曲など、音を聞くだけでは他のアラブ・アンダルース音楽と区別が付かないのですが、コンスタンチーヌの土地から生まれた音楽とは言えそうです。当時人気を博しながらも1961年に暗殺されてしまったユダヤ人歌手シェイク・レモン・レイリスは三曲収録。

★V.A. /アルジェリアのマルーフ(日本語解説/帯付)
アルジェリア東部に息づく粋なアラブ・アンダルース音楽マルーフの魅力を凝縮!*国内配給盤再入荷待ち

かつてイスラームに支配されていた時代のイベリア半島で生まれたアラブ・アンダルース音楽にルーツを持ち、アルジェリア東部の街コンスタンティーヌからテュニジアにかけての地域で親しまれたのが、マルーフと呼ばれる音楽だ。元々は結婚式や宗教儀式といった場で演奏されていたマルーフは、レコード産業の発展とともに大衆に広まり、1940年代〜60年代には黄金時代を迎えた。本作はその時代に活躍したアルジェリア人マルーフ音楽家にスポットを当てた作品で、絶対的マスターとして知られたハジ・モハメッド・タハール・フェルガーニをはじめ、暗殺されてしまったユダヤ系歌手シェイク・レーモン・レイリス、「白い天使」と呼ばれたハムディ・ベナニなど総勢11名の音楽家の音源を収録。知られざるマルーフの魅力に迫った好編集盤だ。 (メーカーインフォより)

CD 1
1. HADJI MOHAMED TAHAR FERGAN “LAKIDOU HABIBI”
2. SIMONE TAMAR “TAL ELADAB BIYA”
3. CHEIKH MOHAMED ELKOURD “SALLI HOUMOUMEK”
4. MOHAMED SEGUENI “DALMA”
5. THOURAYA “MAANDI ZELLA”
6. MADJ MOHAMED TAHAR FERGAN “DERHEM”
7. ALICE FITOUSSI “OUINE ENBATOU”
8. CHEIKH MOHAMED ELKOURD “FARAQOUNI”
CD 2
1. ALICE FITOUSSI “EL HAOUA DEL EL OUSSOUD”
2. CHERIF ZAROUR “NADDAMT EL ACHAR”
3. SIMONE TAMAR “YA LAHD ELGHOZIYEL”
4. HAMDI BENANI “QAD BACHARAT”
5. HADJ MOHAMED TAHAR FERGAN “LAABAT YADIYA”
6. SIMONE TAMAR “YA SAQI OUESQI HABIBI”
7. HASSAN EL ANNABI “BI AYI SABAB NAHDJAR”
8. CHEIKH RAYMOND LEYRIS “BACHERAF ZIDANE”
9. CHEIKH RAYMOND LEYRIS “INKLAB SABRI KALIL”
10, CHEIKH RAYMOND LEYRIS “EL BRAGUE”

本作で取り上げているのは、マルーフ(Malouf)と呼ばれるジャンルで、これはアルジェリアの東側、テュニジアとの国境に近いコンスタンティーヌ特有の音楽として知られており、その音楽はお隣のテュニジアのテュニスやリビアのトリポリにも広がりをみせています。その根底にあるのは、中世のイベリア半島(現在スペインのある場所)より伝わるヌーバと呼ばれる音楽で、これはアラブ・アンダルース古典音楽の別名でもありますが、音楽家がカリフ(イスラーム国家の指導者)に捧げるプレイズ・ソング(褒め歌)として機能していたものでもありました。そのヌーバを枠組みにして発展したマルーフは20世紀前半にはすでに洗練されたスタイルが誕生していて、少なくとも当時のアルジェリア東部地域の最先端をゆく音楽のひとつだったようです。そんなマルーフは基本的には結婚式や宗教儀式といった公の場で演奏されるものでした。
そのマルーフの黄金時代であった1940年代〜60年代までに録音された曲から18曲を厳選し2枚組にコンパイルしたのが本作です。ここではこのシーンの絶対的マスターとして同時代に君臨したハジ・モハメッド・タハール・フェルガーニをはじめ、56年から61年までの間に30数枚ものLPを残したというこのシーンの第一人者シェイク・レイモンド・レイリス、彼らの後輩で「白い天使」というニックネイムで親しまれるも昨年惜しくも亡くなってしまったハムディ・ベナニといった歌手たちを軸に、総勢11名もの重要歌手たちの歌声をここに収録しています。
マルーフは古典音楽がベースにありますが、全くとっつきにくい部分がなく、明るく親しみやすいメロディ・ラインと歌声がこの音楽の大きな特徴。そしてウードやカーヌーン、フィドルといった弦楽器のほか、タールやダルブッカといった打楽器、ジュアックやズルナなどの管楽器などによる豪華なアンサンブルも聴き所のひとつです。
これまであまり本格的に紹介されてこなかったミステリアスなアラブ・アンダルース音楽マルーフの全貌を、本作が明らかにします。

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