ナターサ・ボフィリウの12年作~4作目のアルバムです(いつもとメイクが違っていて、お顔が変わっていますが)。当年29歳、既に若手モダン・ライカ~POP系女性歌手として現地人気は相当なものですが、本CDで、また一つ、存在感は増した観があります。もしかしたら、エレフセリア・アルヴァニターキからエレーニ・ツァリゴプール、そしてこのナターサ・ボフィリウという、トラッド寄りグリークPOP女性歌手の系譜を考えることもできるんじゃないか?という線まで来ていると思います。CD前半にはエキゾなグリーク・ロック風や静謐なピアノ伴奏のグリーク・バラード等6曲が収められ、後半にはピアノ&マンドリン、チェロ、ブズーキ等のバックからなるモダン・ライカ6曲が収められています(当初はそれぞれ6曲入りのミニCD2枚組というかたちで発売されていましたが、こちらは1枚にまとめられました)。相反とまでは言いませんが、同じアルバムの中で2つの音楽性を主張しています。が、どちらにせよ繊細な陰影をたたえながら、時に力強く伸びやかに歌うその歌声が、ギリシャでしかありえない情感を結んでいます(う~ん、マエストロに聞かせたい…??)。ちょっと大物感が漂って来ました。オススメできます。