DATO’ SRI SITI NURHALIZA / MANIFESTA SITI 2020

マレイシアを代表するディーヴァ、シティ・ヌールハリザの最新作!
1996年18歳でソロ・デビューして以来、チャートのトップに君臨し続けてきたマレイシアを代表する歌姫、シティ・ヌールハリザ。その彼女もいまや42歳(!)となりましたが、キュートな容姿も美しい歌声も未だ衰え知らずということをしっかりと証明してくれたのがこの最新作です!セクシーなタンゴ風ポップスからマレイ・ポップの醍醐味の一つでもある外連味たっぷりのバラード、ナターシャ・アトラスも真っ青のエスノ・トランス風ナンバーまでと完成度の高いバラエティ豊かな楽曲も魅力的。彼女のファンの方ならずとも幅広い女性ヴォーカル・ファンの人々の心を捕らえること間違いなしの一枚です。加えて今回は縦長DVDケース仕様。同梱された全12ページのブックレットには今回収録曲の全歌詞が掲載されているだけでなく、シティのおしゃれで可愛いスナップショットも満載。ボーナス・トラックもついた充実の一枚です!(サプライヤーインフォより)
>こちらで紹介されていました!(無断リンク陳謝&感謝!)

1. Siapa Tak Mahu
2. Aku Bidadari Syurgamu
3. Kasihku Selamanya
4. Tertulis Nama Kita
5. 7 Nasihat
6. Kuasa Cintamu
7. Takhta Dunia
8. Teratai Menjelma
9. Basyirah
10. Terang
11. Anta Permana (BONUS TRACK)

〜以下、当方のNHKラジオ小コーナー台本原稿無断転載〜

「マレイシアPOPの歌姫、円熟の最新作!」

マレイシアは東南アジアのマレー半島南部とボルネオ島北部に国土を持つ国です。
タイ、インドネシア、ブルネイと国境を接しています。
人口は約3200万人、首都はクアラルンプール、マレイ人を中心に、中国系やインド系の人々も住む多民族国家です。
以前は、農業や観光業が産業の中心でしたが、天然ガスや鉱物資源にも恵まれ、近年の重工業の成長は目覚ましいものがある国ですね。

ところで、個人的には、“歌姫” という言葉をあんまり使うことはないのですが、昔は、歌姫というのは、一つの国に一人、だと思っていましたからね、 そうそう使いませんでした。でもこの人は、名実ともにマレイシアの歌姫と呼ぶにふさわしい存在だと思っています。

1996年に18歳でソロ・デビューして以来、ライブ・アルバムも入れると、こちらで32作目の新作になるかと思います。
その、この秋に発表されたばかりに新作から、まず一曲聴いていただきましょう。
シティ・ヌールハリザで、曲名は “シアパ・タ・マフ”

どうですか?
薄っすらとラテン風味を効かせたお洒落な曲でした。
ことさら、新しさを強調するでもなく、それでいて古臭さは微塵もなく、何年経っても聴き続けることができそうな、磨き上げられた伴奏で、そして変化に富んだアレンジを通して、決して、かまえることなく、りきむこともなく、しなやかな歌を聞かせてくれるシティ・ヌールハリザでしたね。
これぞ、アジアの歌謡曲、という気がします。

この曲はシティ・ヌールハリザ自身で作曲作詞しています。
曲名は、「誰が望んでいない?」という疑問形ですが、「誰だって望んでいる」という意味になると思います。
いつものようにアテにならない意訳になりますが、こんなことを歌っているんだと思います。

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簡単に考えないで、
よーく考えて、

望まない人なんていない。
いつも、愛されていた、
膝に降り注ぐ満月の光のように、
わたしの大切なひと、
誰がぞれを望まない?

誰だって望んでいる
失いたくない、

こんな歌詞でしょうか?

それでは、もう1曲、
シティ・ヌールハリザで、「トゥジョ・ナシハット」をお聴き下さい。

こちらも、なかなか凝った曲でしたね、
アラブの弦楽器、ウードがマレイシアに伝わり根づいた楽器、ガンブスの弦の音色や、ヤギの皮を張ったフレームドラム、コンパンのリズムが演奏されるイントロに誘われ、シティの流麗な節まわしが、マレイの伝統的な旋律を辿り歌い出したかと思うと、いつのまにか、ヒップホップの重いビートが重なって、男性デュオのラップが、不自然な感じ皆無で始まるところなんて、まったくスリリングな展開だったと思います。
伝統とPOP、あるいは、麗しい女性歌謡と、ヘヴィーなラップがこんなにバランスよく同居した曲、なかなか聞けるものじゃないと思います。

そんな柔らかな伝統歌謡とラップが交わるこの曲「トゥジョ・ナシハット」、タイトルを訳せば「7つの助言」ということで、なにか意味のある助言が並んだ曲なんでしょうけど、訳してみようと努力しましたが、全然、意味が取れませんでした。スミマセン!
例えば、こんな感じです。

眉をひそめて、四角い心を研ぎましょう、
不思議なことはありません、
私の傷に塩をこすりつけるようなことを言って下さい。
あなたが人間らしくなるために、

耳をそばだてなければいけません
多くの場合、先祖の助言は無視されました
眠りに落ちて、架空の世界で夢の中に落ち、
思いがけない高波にさらわれる

という感じで、続いているわけですが、
すみません、全然、意味がわかりませんでした…。

それでは、最後にもう1曲お聴き下さい。
曲名は「タクタ・ドゥニア」、訳すなら「世界の王さま」という曲です。

ボサノーヴァのリズムに乗せて、軽快な歌を聞かせてくれる曲でした。
この曲も、実にアジアならではの歌謡曲ですねえ。
なんだか、日本の、昭和の女性歌手が歌っていても不思議はないような感じの曲ですが、でも、シティ・ヌールハリザが歌うと、時代や国境を越えて行くような、なんとも新鮮な世界が目の前に広がるようです。
歌姫と呼ばれるにふさわしい、歌声だと思います。

こんなことを歌っています。

何も言わないで、お互いに思いやり、傷つけることのないよう、
きれいな世界、暗闇がなくなったら、真っ白な気持ちで、
諍いがなくなればいい、心の中に、輝くような王座を

ちょっと抽象的な訳になってしまいましたが、本当はもっと砕けた表現で、こんな意味のことを歌っているんだと思います。心が洗われるような曲、と言うべきですね、

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