SURRAIYA MULTANIKAR


スライヤー・ムルターニカル、1940年生まれのパキスタン女性歌手ということですから、今、80歳、さすがに近年の録音とは思えません。おそらく00年代の録音でしょうね。昔の録音を聞いてみるとフィルムソング風、ガザル、あるいは、セミ・クラシックを謡うにせよ、本作に聞けるような歌は聞かせていません。いわゆる、あのガザル声(?)、もしくはプレイバック声、もっと柔らかな声で歌っていました…。
村山先生によれば、このアルバムはサラーエキー語歌集(パンジャーブ州南西部、サラーエキースタンの言葉)ということなので、そのサラーエキー語のフォークロアの歌い方に準じている歌い口なのか、それとも、歳をとってしまったなりの声音の中で歌っているのか、その辺は謎ですが、おそらくどちらも正解なんじゃないかと…。
が、パキスタンから聞こえて来た女性の歌声として、飾らず、少しばかり枯れて淡い表情、微妙に揺れながら慈愛に溢れるその節まわし、う〜ん、たぶん、全然、違うかも知れませんが、あの、南インド古典声楽、後期 M.S.スブラクシュミが達した境地の、パキスタン南西部パンジャービー版と聞こえないこともない??
というわけで大袈裟かも知れませんが、個人的には、極めて得難い歌声と感じ入ってしまったのでした…。
そんなわけで、イスラマバードにある歴史文化博物館、ローク・ヴィルサ・ミュージアムの関連機関、ローク・ヴィルサ・フォーク・ヘリテージ研究所が主催するレーベル “LOK VIRSA PRODUCTION” が制作したアルバムです。ジャケット写真は若き日のスライヤー・ムルターニカル、なんとも麗しいアルバムじゃないですか(CDRですけど)!…もちろん、村山先生の買付品です。感謝!

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