IBRAHIM MAALOUF / DIAGNOSTIC

ibrahim-maalouf素晴らしい! これまでスティング、アマドゥ&マリヤム、スマッジらの作品に参加して印象的なトランペットを吹いていたベイルート出身フランス在住の若手ジャズトランペッター、イブラヒム・マールーフの11年3rdアルバム。アラブ人によるジャズですが、アラビックなジャズではなく、東欧ジプシー音楽や時にバングラを思わせるような多国籍/無国籍なメロディーを吹き、ピアノやドラムス、ベース、ヴァイオリン、二胡、バトゥカーダ隊など、曲ごとに異なる世界を見せてくれます。南イタリアのチェザーレ・デッランナ~オパ・ツパにも通じるハイブリッド感ですが、こちらは音数が少なく官能的です。静的なのにアヴァンギャルドでセクシー! 「Beirut」と題された最終曲ではギターとエレピによるループの上で哀愁のペットがむせび泣き、後半には激しいディストーションギターとドラムスの上でフリーに吹きまくっています。まずは下記リンク最上段のリンクから11分のビデオクリップをご覧下さい。イブラヒム・マールーフ、ものすごい逸材かもしれません。