MORIARTY / THE MISSING ROOM

moriarty11「1920年代」は、モリアーティの音楽を紐解く重要なキーワードの一つである。この年代物の木製家具を連想させるセピア色がかったアコースティック・サウンドは、もちろん創意工夫の賜物。生々しく、かつ艶めかしい。ともあれ、『失われた部屋』はミステリアス。エキゾチックな風貌と謎めいた微笑みに魅せられ、つい声をかけたくなるが、実際につき合うと、やたら手のかかる美女。そんなファム・ファタールのようなアルバムである。(ライナーノーツより)