ABDOU DIOP / NOOTEE

セネガル南西部、ガンビアとギニアビサウに隣接するカザマンス地方のジョラ系POPを代表する存在、アブドゥ・ディオップの欧州リリース / セカンド・アルバムになります。古くから、どのようにも権力者というもの認めない非階級社会 / 平等社会を成立させていたカザマンスに住まうジョラ人は、フランスの植民地統治にも屈せず抵抗運動を続けたそうですが、現在に至ってもセネガル中央のウォロフ系政府を認めず、”カザマンス民主勢力運動” を展開しているそうです。何というか、前近代の無政府主義、自然な民主主義のかがみとでも言えるでしょうか?世界史的に見ても希有な誇り高い人々だと思いますが、このアブドゥ・ディオップは、両親の反対を押し切って首都ダカールで音楽活動をしている由。けれど、大まかに聞けば、隣国マリのマンディング音楽に近い感覚の、ンゴニ&ギター&パーカッションによるアコースティックな伴奏に響くその歌声のあり方は、なんとも平和的で、そして慈悲深さ、加えて哀愁と諦観を感じさせる味わい深いもの。いかにもジョラ人の価値観というものが反映されていると感じます。

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