売れていますねえ、内容バッチリですものね、正直晩年の嘉手苅林昌さんは枯れ過ぎというか、飄々とし過ぎというか、聞いていても風が通り過ぎるような具合で…、それもまた良しとする向きもあるようですが、ちょっと手応えが….云々、というのはグチです。でも、この時期、とりわけテルリンさんプロデュースの60年代マルテル音源の素晴らしさは格別。沖縄を聴くならまずはここから、という録音群がやっとCD化されたという感慨を持ちます。それにしてもこのジャケの素晴らしさ、まるでエルモア・ジェイムスとリトル・ウォルターみたいじゃないですか!
って、違うか?
島唄黄金時代の息吹と鼓動を現在に伝える、
待望の「マルテルレコード」復刻シリーズ、第一弾!
風狂の謡人・嘉手苅林昌が1960年代に地元・マルテルレコードに残した音源から編纂した画期的アイテム。
マルテルレコードは沖縄笑芸・ワタブーショーで知られる稀代のボードヴィリアン・照屋林助が主宰した沖縄コザ(現・沖縄市)を拠点にしたインディレーベル、小規模ながら、制作 / 監督に知名定男(ネーネーズ・プロデューサー)、仲本興次(ワタブーショー・オリジナルメンバー)、照屋林賢(りんけんバンド)らを迎えるなど大いに気を吐いている。
これまで嘉手苅林昌の歌唱は、1970年代に竹中労監修の下、制作されたLP30数枚におよぶ島うたアンソロージをはじめ、膨大な量の音源が紹介されてきたが、ほとんどが1972年「本土復帰」以降の本土メジャーでの録音で、それ以前の地元録音となると皆無と言っていい有様だった。
ここに「白眉」とも言える名演が満を持して姿をあらわすこととなった。
本ディスクで聴ける嘉手苅林昌の唄三絃は、地元の気軽さからか、いつになくリラックスしていて、飄々と翅のように柔らかく軽やかで、持ち前である変幻自在なアドリブ唱法においてもその風狂ぶりを遺憾なく発揮している。
林昌終生の相方・大城美佐子とのコンビも本録音が嚆矢となったことも特筆しておこう。まさに嘉手苅林昌、一世一代の名唱。島うたファンのみならず音楽愛好家すべて、垂涎の「お宝」がついに登場だ!
監修:藤田正
音源提供:照屋楽器店
〜メーカーインフォより
1. 下千鳥 嘉手苅林昌
2. 恨みの嵐 嘉手苅林昌
3. ムエー小節 嘉手苅林昌 with 大城美佐子、比嘉ケイ子
4. 真心の花 嘉手苅林昌 with 上江州節子
5. 国頭大福 嘉手苅林昌 with 大城美佐子
6. サラウテ節 嘉手苅林昌
7. 敷島タバク 嘉手苅林昌
8. よう加那よう 嘉手苅林昌
9. ダンク節 嘉手苅林昌
10. 川平節 嘉手苅林昌 with 大城美佐子
11. 十番口説 嘉手苅林昌
12. 宮古根・山原手間当 嘉手苅林昌 with 大城美佐子
13. かいされー(ヂントーヨー) 嘉手苅林昌 with 大城美佐子
14. 取納奉行 嘉手苅林昌
15. 金細工 嘉手苅林昌
16. いちゅび小 嘉手苅林昌
17. 浮世節 嘉手苅林昌
18. 辻口説 嘉手苅林昌