<ディスコロヒア・レーベルのアジア三部作完結編!トリを務めるのは南海歌謡の初代女王サローマの初期録音集だ。東南アジアを代表する国際都市シンガポール。そこで生まれたカラフルでコスモポリタンなサウンドは1940年代後半から60年代初頭にかけてアジアの音楽シーンをリードした。そんな時代を象徴する歌姫がサローマだ。このアルバムはシンガポールを拠点とする南海のアジア歌謡がもっともフレッシュな輝きを放っていた初期音源ばかりを集めた世界ではじめての単独CDです。 >
特典CDR付!〜というわけで、サローマの知られざる初期作品集が田中勝則さんの選曲&群細解説にて登場です。その昔、ボンバよりリリースされていた『マレイシアの花』とは2曲しか重なりません!1950年代後半録音を中心に、1962年までの音源を集めた内容ですが、それはつまりマラヤ連邦の独立(1957年)を経て、現在のマレイシアという国家が1963年に成立する1年前までの作品集ということですね(ちなみにシンガポールの分離独立は1965年)。Pラムリー&サローマ夫妻は1964年までシンガポールを拠点に芸能活動を行っていたわけですが、その後、クアラルンプールへ移動、以降の作品にはマレイの伝統的なリズムやメロディーを骨格にした作品が多くなって行きます。が、植民地都市としてのコスモポリタンティズムを残していたシンガポール時代の作品の多くは、ラテンやジャズ、ラウンジ・ミュージック(つまりロックンロール以前のインターナショナルPOP)のスタイルを骨格としつつ、独特のマレイ南海風味を感じさせる曲作りをしていました(こうしたことは田中さんの解説でも触れられています)。
で、そこんとこ、けっこう重要なポイントですね。いわゆるストレートなマレイのルーツ・ミュージックっぽさがサローマという女性歌手の魅力を本当に引き出すのかどうかというと、ちょっと微妙な問題で、それよりも、ポリネシアン・マンボや東南海チャチャチャやマレイ風味のボレーロ、アジアンなスウィングやトロピカルなムード歌謡などなど、ラテンやジャズ等々のポップ・モードの中でこそ、より重しのないかたちでサローマという歌い手の開放感ある東南アジアならではの瑞々しさは生かされた、ような気がします。で、そのものズバリの選曲が本CDでは楽しめるわけですね。これは嬉しい1枚!音質もOK!
1. ポリネシア・マンボ
2. 新版レンガン・カンコン
3. 失望
4. 涙とともに
5. 人(ひと)
6. ため息
7. リズムの王女さま
8. 魂の嘆き
9. 私の宿命
10. 山傘
11. 母の祈り
12. 空想のお城
13. 母の愛
14. コピ・スス
15. ひと目見て
16. 夜の微笑み
17. 跳ねるエビ
18. トゥアラン・ティガの踊り
19. 雰囲気を愛して
20. トゥポック・アマイ・アマイ
21. それが私の宿命(飛び跳ねるカエル)
22. ラヤン・ラヤン
23. 芸術を愛して(ゲイラン・パク・ゲイラン)
24. カトン岬
25. できもしない1000の約束(チェ・ママットのとんがった刀)
26. 国花