・ADIOUZA / LI MA DOON
まずキュートかつ靱やかな歌声に惹かれた。重心の低いベースとハイハットワークの巧みなドラムが
その歌とサバールダンス系のサウンドを支えている。こんなにPOPでカラフルなンバラは初めて聴いた。クイーンもサンバもOK(クイーンはやりすぎか?)。コンポーザーとしても資質の高さを感じる。早く新作出ないかな。
・V.A. / A CENTURY OF AVAZ, AN ANTHOLOGY
アゼルバイジャン復刻も良かったが、歴代名人演奏家、名歌手の深い味わいがたっぷりと詰まっているペルシャ古典音楽アーヴァーズのこちらにより感銘を受けた。CD3の2曲目の詠唱が、脳裏にこびりついて離れない。
・EDDY TUSSA / GRANDES MUDOS
1960-70年代アンゴラ・ボックスは、ブラジルとコンゴのミックスでサウダージ、風通しのいい音楽だと思っていたが、2012年の今作は、フレンチ・カリビアン、ソンやサンバも加わり、さらに芳醇な味わい。イナタイあんちゃん風ヴォーカル、アコーディンが効いてるサウンド共々角のとれた音が気持ちいい。
・REDA TALIANI / BLADI
ポップライ回帰作。張ったタリアニの声とトランペットの相性が良く、盛り上がる。伝等打楽器、アコーディオンなどの
生音とエレクトロとの融合も見事。もう少し隙間のある音でも良かったかもしれない。
イタリア系だからか、ちょっとプログレッシブ・ライ?
・MIZIKOPEYI / LIVE(DVD)
キレッキレのホーン・セクション始め、マルチニークのミュージシャンって何でこんなにうまいんだ。様々なクレオール・サウンドをミックスしたアレンジ力の高さといい、スウィング感とグルーヴ感はヘタなラテン・ジャズバンドよりも全然イイ。そんなゴージャスなフレンチ・カリブ・ビッグバンドを従えたトニー・シャスールの若大将っぷりがステージ映えする。生で観たい。
・HIBA TAWAJI / YA HABIBI
早く聴きたかったその1。オーケストレーションにシルクのような声で、オープニングから完全にノックアウト。ちょっと肩の力抜いてもいいんじゃない、とも思うが、若くてやる気満々、歌唱力を存分に発揮したいだろうな。しかし、ラハバーニー一族の音作りって、もはや伝統芸ですね。豪華絢爛な音なのに、ほぼ流通してないもどかしさ。前作(ファースト)も聴きたい。
・AIDA SAMB / SARABAA
Adiouza とアルバム構成が似ていて、しかも数曲で同じドラマー。Jules Diop なる人、近年のポップ・ンバラには欠かせない人なのかもしれない。Adiouza に比べ、こちらは直球勝負。力みも感じられるが、弦楽器ハラムを効果的に使いながらもサバールダンス系ンバラが炸裂。
・FABREGAS / ANAPIPO
PVのカッコイイ冒頭曲からイケイケ。コンゴレーズ最新世代の勢いを感じたが、アコーディオン、バラフォン、アコースティック・ギターにハーモニーが美しいコーラスのタイトル曲がしっかり入っているところにルンバ・コンゴレーズの伝統を引き継ぐ、懐の深さも感じられた。
・MEDDY GERVILLE / FO KRONM LA VI
早く聴きたかったその2。流麗なピアノ&クルーナー・ヴォイス、洗練されたアレンジながらも、レユニオン伝統リズム、マロヤがしっかり根付いたクレオール・ジャズ&ポップ。その点 MIZIKOPEYI 、マルチニークのピアニスト Ronald Tulleとも繋がっていると思う。ベースの Michel Alibo は Ronald Tulle 新作でも2曲参加。サリフ・ケイタ名作「ソロ」で弾いていた人。
・THOMAS MAPFUMO & THE BLACK UNLIMITED / DANGER ZONE
ムトゥクジ新作ライヴも良かったが、ドラマーが変わってしまったのには少しがっかり。で、通算50作目らしい新作は開放的に感じられた前作よりも、より軽快になった気がする。ンビラを参加曲はもちろん、バラエティに富んだ楽曲やバンドとしてのこなれ感がさらにアップしたのではないか。かつ深化するマプフーモのヴォーカルが沁みる。
と長くなりましたが、こんなところです。
今年も良盤お願いします。